アルファロメオCEO「できる限り早く戻ってくる」アブダビを以てザウバーとの6年に渡るF1提携に終止符
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アルファロメオのジャン=フィリップ・インパラートCEOは、ザウバーとの提携を通した6シーズンに渡るF1プロジェクトの閉幕を前に、将来的なF1復帰に向けて意欲を示した。
30年以上のブランクを経てイタリアの高性能自動車メーカーが最高峰の舞台に戻ってきたのは2018年の事だった。
ザウバー・モータースポーツAGとの間で戦略的、商業的、技術的パートナーシップを締結し、レースでの協力関係はもちろん、ジュリアGTAやGTAmなどの市販車においては空力コンポーネントの開発でシナジー効果を活用した。
両者のパートナーシップは今週末に控える2023年のシーズン最終戦となるアブダビGPを以て終わりを迎える。この背景には、2026年に向けてザウバーがアウディとワークス契約を結び、資本関係を強化している事が挙げられる。
インパラートCEOはアブダビGPの開幕に先立ち、アルファロメオのDNAには「競争」が刻み込まれているとして、条件が整えば「再びファンを魅了するためにできる限り早く戻ってくる」と語った。
アルファロメオはザウバーと同じくフェラーリ製F1パワーユニットを搭載するハースとの新たなパートナーシップが噂されている。
最終戦となるアブダビGPではザウバーとの6年に渡るパートナーシップを記念して、バルテリ・ボッタスと周冠宇がドライブする「C43」の全面に数字の「6」があしらわれる。
また、アルファロメオに対する敬意の印としてザウバーによる「Alfa Romeo nei nostri cuori(アルファロメオは常に我々の心の中にある)」というメッセージがリバリーに組み込まれる。
アルファロメオは情熱的な声明を通し、ファンを始めとしてシャルル・ルクレール、マーカス・エリクソン、アントニオ・ジョビナッツィ、キミ・ライコネン、周冠宇、バルテリ・ボッタスの歴代ドライバー、オーナーのフィン・ラウジングや以前のチーム代表であるフレデリック・バスール、現首脳陣のアレッサンドロ・アルンニ・ブラービやアドレアス・ザイドル、提携に大きな役割を果たした故セルジオ・マルキオンネ、FIAのモハメド・ベン・スレイエム会長やF1のステファノ・ドメニカリCEOら関係者、メディア、技術パートナーの名前を挙げて感謝の意を表した。
そして現行グリッドに並ぶライバルチームに対して「スポーツにおける素晴らしい成功に満ち溢れた将来となる事を祈っている」と締め括った。
1925年に「GP Tipo 2」がグランプリカー初のチャンピオンシップを制覇した事に象徴されるように、アルファロメオは戦前のグランプリにおいて大きな成功を収めた。
そしてグランプリが世界選手権化されると、1950年の初年度から1988年に渡ってコンストラクター及びエンジンサプライヤーとしてF1に参戦した。
1950年にアルファロメオは驚異の全勝を挙げ、ジュゼッペ・ファリーナに初代チャンピオンの栄冠をもたらした。翌年はファン・マヌエル・ファンジオがタイトルを獲得し、2年連続でドライバーズ選手権を制したが、この年を以て撤退した。
ブラバムのエンジンサプライヤーとして1976年にF1に復帰すると、1979年にコンストラクターとしての復帰を果たした。ただ以前のような成功を収める事はできず、1983年のコンストラクターズ選手権で自己最高の6位を獲得すると1985年に撤退した。エンジンの供給は1988年まで続いた。