2024年インディ500 最終練習:14番手佐藤琢磨、セットアップ作業不足を懸念…ホンダ挽回の狼煙 ディクソン最速

集団をリードするスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ)、2024年5月24日第108回インディ500カーブデー・プラクティスにてCourtesy Of Penske Entertainment

第108回インディ500に向けた最終プラクティスが現地2024年5月24日(金)に行われ、スコット・ディクソン(チップ・ガナッシ)が227.206mphのベンチマークを刻んだ。佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)は14番手という結果だった。

6度のシリーズチャンピオンは日曜のレースをキャリアワーストの21番グリッドからスタートするが、この日の結果を受け幾らか前向きな手応えを得たようだ。

「今日は良い一日だった。クルマはかなり速く、また一貫性があるように感じる」とディクソンは振り返る。

「あまり急がず(レース序盤に必死にポジションを上げようとせず)レースを進めることが重要だ。ポジションを上げる必要はあるし、できるだけ早くそうしたいけどね。1周目に前を走る20台すべてをパスしたいけど、それはおそらく無理だろう」

Courtesy Of Penske Entertainment

スコット・ディクソン(チップ・ガナッシ)、2024年5月24日第108回インディ500カーブデー・プラクティスにて

先週の日曜日に行われた予選、そして翌日のプラクティス7ではシボレーエンジン勢、特にチーム・ペンスキー勢が圧倒的な速さを見せたが、2時間に渡って行われた最終プラクティスではホンダが挽回の狼煙を上げ、トップ10のうち7つを占めた。

Pos. Driver Time Gap Laps
1 スコット・ディクソン
チップ・ガナッシ
00:39.6117
227.206 mi/h
365.653 km/h
–.—- 90
2 エリオ・カストロネベス
メイヤー・シャンク
00:39.6583
226.939 mi/h
365.223 km/h
0.0466
0.267 mi/h
0.430 km/h
103
3 パトリシオ・オワード
マクラーレン
00:39.7060
226.666 mi/h
364.784 km/h
0.0943
0.540 mi/h
0.869 km/h
78
4 コルトン・ハータ
アンドレッティ
00:39.7842
226.22 mi/h
364.066 km/h
0.1725
0.986 mi/h
1.587 km/h
79
5 トム・ブロンクビスト
メイヤー・シャンク
00:39.9201
225.45 mi/h
362.827 km/h
0.3084
1.756 mi/h
2.826 km/h
62
6 マーカス・エリクソン
アンドレッティ
00:39.9259
225.418 mi/h
362.775 km/h
0.3142
1.788 mi/h
2.878 km/h
64
7 アグースティン・カナピーノ
フンコス・ホリンジャー
00:39.9432
225.32 mi/h
362.617 km/h
0.3315
1.886 mi/h
3.036 km/h
105
8 フェリックス・ローゼンクヴィスト
メイヤー・シャンク
00:39.9450
225.31 mi/h
362.601 km/h
0.3333
1.896 mi/h
3.052 km/h
89
9 アレックス・パロウ
チップ・ガナッシ
00:39.9463
225.302 mi/h
362.588 km/h
0.3346
1.904 mi/h
3.065 km/h
91
10 ライアン・ハンター=レイ
キュージック
00:39.9780
225.124 mi/h
362.302 km/h
0.3663
2.082 mi/h
3.351 km/h
63
11 カラム・アイロット
マクラーレン
00:39.9866
225.075 mi/h
362.223 km/h
0.3749
2.131 mi/h
3.430 km/h
103
12 キフィン・シンプソン
チップ・ガナッシ
00:40.0313
224.824 mi/h
361.819 km/h
0.4196
2.382 mi/h
3.834 km/h
104
13 カイル・ラーソン
マクラーレン
00:40.0426
224.761 mi/h
361.718 km/h
0.4309
2.445 mi/h
3.935 km/h
74
14 佐藤琢磨
RLL
00:40.0659
224.63 mi/h
361.507 km/h
0.4542
2.576 mi/h
4.146 km/h
96
15 ピエトロ・フィッティパルディ
RLL
00:40.0769
224.568 mi/h
361.407 km/h
0.4652
2.638 mi/h
4.246 km/h
97
16 マーカス・アームストロング
チップ・ガナッシ
00:40.1058
224.406 mi/h
361.146 km/h
0.4941
2.800 mi/h
4.507 km/h
100
17 グレアム・レイホール
RLL
00:40.1154
224.353 mi/h
361.061 km/h
0.5037
2.853 mi/h
4.592 km/h
106
18 マルコ・アンドレッティ
アンドレッティ
00:40.1209
224.322 mi/h
361.011 km/h
0.5092
2.884 mi/h
4.642 km/h
72
19 クリスチャン・ルンガー
RLL
00:40.1272
224.287 mi/h
360.955 km/h
0.5155
2.919 mi/h
4.698 km/h
74
20 スコット・マクラフリン
チーム・ペンスキー
00:40.1312
224.264 mi/h
360.918 km/h
0.5195
2.942 mi/h
4.735 km/h
93
21 ウィル・パワー
チーム・ペンスキー
00:40.1332
224.253 mi/h
360.9 km/h
0.5215
2.953 mi/h
4.753 km/h
69
22 コナー・デイリー
キュージック
00:40.1333
224.253 mi/h
360.9 km/h
0.5216
2.953 mi/h
4.753 km/h
74
23 カイル・カークウッド
アンドレッティ
00:40.1511
224.153 mi/h
360.739 km/h
0.5394
3.053 mi/h
4.914 km/h
65
24 サンティノ・フェルッチ
A.J.フォイト
00:40.1852
223.963 mi/h
360.434 km/h
0.5735
3.243 mi/h
5.219 km/h
49
25 ロマン・グロージャン
フンコス・ホリンジャー
00:40.1878
223.949 mi/h
360.411 km/h
0.5761
3.257 mi/h
5.242 km/h
82
26 アレキサンダー・ロッシ
マクラーレン
00:40.2025
223.867 mi/h
360.279 km/h
0.5908
3.339 mi/h
5.374 km/h
92
27 クリスチャン・ラスムッセン
エド・カーペンター
00:40.2105
223.822 mi/h
360.207 km/h
0.5988
3.384 mi/h
5.446 km/h
88
28 スティング・レイ・ロブ
A.J.フォイト
00:40.2614
223.539 mi/h
359.751 km/h
0.6497
3.667 mi/h
5.902 km/h
95
29 エド・カーペンター
エド・カーペンター
00:40.2958
223.348 mi/h
359.444 km/h
0.6841
3.858 mi/h
6.209 km/h
67
30 リーナス・ヴィーケイ
エド・カーペンター
00:40.3541
223.026 mi/h
358.926 km/h
0.7424
4.180 mi/h
6.727 km/h
90
31 キャサリン・レッグ
デイル・コイン
00:40.3719
222.927 mi/h
358.766 km/h
0.7602
4.279 mi/h
6.887 km/h
86
32 ジョセフ・ニューガーデン
チーム・ペンスキー
00:40.3864
222.847 mi/h
358.637 km/h
0.7747
4.359 mi/h
7.016 km/h
72
33 リーヌス・ルンドクヴィスト
チップ・ガナッシ
00:40.3878
222.84 mi/h
358.626 km/h
0.7761
4.366 mi/h
7.027 km/h
49

グレアム・レイホールが昨年のインディ500で予選落ちを喫したためRLL勢は今年、予選に向けてのセットアップ作業に集中的に取り組まざるを得ず、レース用のセットアップ作業に十分な時間を割く事ができなかった。佐藤琢磨は忍耐強さが求められる厳しいレースになると考えているようだ。

「月曜日(のプラクティス)より良かったと思います。先週は予選に集中していたため、レーストリムで走ったのは今日が初めてでした」と佐藤琢磨は語る。

「この前の月曜は酷い感じでしたが、今日はかなり近づいてきたと思います。もっとやれたかもしれませんが、クルマはまずまずだと思います。まだ最終調整が必要ですが、少なくとも準備はできたと思います」

「このレースではスタートポジションとトラックポジションが決定的に重要なので、予選トップ10に入れた事については満足していますし、誇りに思うべきだと思っています」

「ただ当然のことながら、レース用のセットアップ作業にもう少し時間があればとも思います。僕らのクルマがトラフィックに強くない事は確かなので、レースの前半は兎に角、耐えて状況を見守らなければなりません」

「レース終盤に向けて願わくば、トーとダウンフォースのセッティングに慣れていき、最終的に競争力を発揮できればと思っています」

Courtesy Of Penske Entertainment

インディアナポリス・モーター・スピードウェイを周回する佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)、2024年5月24日第108回インディ500カーブデー・プラクティスにて

19番手に留まったチームメイトのクリスチャン・ルンガーもまた佐藤琢磨に同意し、「正直なところ、もっと良い結果を期待していたのでがっかりしている。如何なるトラフィックにおいてでさえ、クルマはかなりウインドウから外れていた」と振り返った。

17番手につけたレイホールは「クルマはかなり良かったと思うけど、もう少しばかり一貫性とオーバーテイク性能が欲しいところだ。後方での走行はかなりトリッキーだった」と述べ、問題点を指摘した。

佐藤琢磨の3冠目が懸かる第108回インディ500の決勝レースはGAORA SPORTSで26日(日)24時より生中継される。視聴にはスカパー!との契約が必要となる。視聴料金は1,320円/月(税込)。

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