F1エキスパートに強烈な印象を与えた2023年の角田裕毅、一方でデビュー時から改善していない”意外な要素”を指摘する声も
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その独特なキャラクターと一貫したレースパフォーマンスによって角田裕毅(アルファタウリ)は今年、F1の専門家達に強烈な印象を残したようだ。
F1公式特派員兼プレゼンテーターのローレンス・バレットはF1公式サイトの2023年シーズンの締め括り企画の中で、今年の「お気に入りのストーリー」に角田裕毅を選んだ。
今季は角田裕毅にとって、ニック・デ・フリース、リアム・ローソン、そしてダニエル・リカルドと、入れ代わり立ち代わりでチームメイトが替わる異例のシーズンとなった。
英「AUTOSPORT」や「BBC Sport」等でジャーナリストとして活躍してきたバレットは「2023年の角田裕毅には冗談抜きに感心させられた」と綴った。
「序盤の5レースでは2回に渡ってポイントを獲得し、3度に渡って11位フィニッシュを果たすという驚くほどの一貫性を見せた。それもせいぜい9番手止まりのマシンでだ」
「彼は今年のアルファタウリが必要としていたチームを安定させる役割を担ってみせた」
「ニック・デ・フリースの挑戦を退け、リアム・ローソンと張り合い、ダニエル・リカルドを凌ぐ輝きを放ち、シーズン最後の5つのイベントで3回のポイントフィニッシュを果たした」
角田裕毅とアルファタウリとの契約は来季末に満了を迎える。残留または、2026年よりホンダがパワーユニットを供給するアストンマーチンへの移籍を目指すというキャリアパスもあるが、本人はレッドブルへの昇格を第一に考えている。
この点についてバレットは「まだレッドブルの昇格圏内には完全に達していないが、ようやく本領を発揮し始めている。これまでよりもステップアップに近づいているのは確かだ」と締め括った。
角田裕毅が専門家に感銘を与えたのはコース上でのパフォーマンスに留まらない。ベテラン・ジャーナリストのマーク・ヒューズは「今年一番の笑い」に角田裕毅を挙げた。
ヒューズは「それはいつだって角田裕毅だ。私はとにかく、彼の言い回しが大好きなんだ」と述べ、その言葉遣いや表現方法の虜になっていると明かした。とは言え35年のキャリアを持つエキスパートの目は厳しい。
デビュー2戦目のエミリア・ロマーニャGPで発した伝説的なフレーズを超える表現はまだ出てきていないとしてヒューズは次のように述べ、更なる「改善」が必要だと指摘した。
「彼はまだ”トラフィック・パラダイス”を改善できていない」
イモラでのFP3終盤、予選シミュレーションのためにコースが混雑すると角田裕毅は「クソみたいな天国、まるでトラフィック・パラダイスだ! 一体なんなんだこれは!?」と怒鳴り散らし、ファンやパドックを魅了した。