角田裕毅、初体験を経て「怖いけど…」将来的なインディ500参戦にオープン
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角田裕毅(RBフォーミュラ1)は、現時点ではF1でのキャリアに集中しているとする一方、将来的にアメリカへと拠点を移し、インディ500に挑戦する可能性を認めた。
F1ラスベガスGPを前に角田裕毅は、ホンダ主催のプロモーションイベントに参加し、6度のインディカー王者スコット・ディクソンの指南を受け、ラスベガス・モータースピードウェイでインディカーを初めてドライブした。
この走行会にはハイブリッド駆動の様々なホンダレーサーが集められ、マックス・フェルスタッペンはアキュラARX-06 GTPマシンを、セルジオ・ペレスはホンダCR-V「ビースト」を、リアム・ローソンはインテグラDE5レースカーをそれぞれドライブした。
英AUTOSPORTによると角田裕毅は、今回の体験を経てインディカーへの興味が高まったかどうか、また2度のインディ500勝者である佐藤琢磨の道を追う可能性について問われ、「もし機会があって、それが正しいタイミングだと感じたら、ぜひやってみたいです」と答えた。
「アメリカ自体が好きなので、こちらに住むことにも抵抗はありません」
最近で言えば、ロマン・グロージャンやマーカス・エリクソンなど、F1からインディカーに転向するドライバーは少なくないが、インディアナポリス・モーター・スピードウェイを始めとするスーパースピードウェイ(全長2マイル以上の高速オーバル)でのレースに抵抗感を示すF1ドライバーは珍しくない。
例えばフェルスタッペンは以前、インディカードライバーを「心から尊敬している」としながらも、インディ500については「正気の沙汰ではない」「自分の命を危険にさらすリスク」を負いたくないとして参戦の可能性を否定し、ペレスは「F1を終えたら子供の面倒を見なきゃならない」として同じく可能性を除外した。
その一方で角田裕毅は、参戦にオープンな姿勢を示したが、同時に「今はまだその時ではないと思います」とも語った。
「インディアナポリス・モーター・スピードウェイで2時間以上に渡って、時速200マイル(約320km/h)以上で走るなんて想像がつかないですし、正直、怖いです」
「今はインディカーを目指したり、考えたりしているわけではないですが、将来的には可能性があると思います」
オーバルコースやスーパースピードウェイについては「恐怖心があるわけではありませんが、安心し切ってオーバルでドライブできているわけでもありません。ドライバーを本当に尊敬します。2時間にも渡って壁の横を何周も走り続けるなんて、一体どうやったらそんなことができるのか。衝突したら本当に大きな事故になる可能性もありますし、今の自分には想像できません」と語った。
「インディ500は本当に素晴らしい競技で、多くのドライバーが目指す夢の舞台だと思います。ただ、現時点では目標しているとか、そういったことはありません」
「でも、年齢を重ねて物事に対する考え方が変わったら、その時に挑戦するかもしれません。そして、レースを終えてミルクが飲めれば(インディ500の勝者は慣例的にシャンパンではなくミルクを飲む)良いですね」
ハイブリッドを搭載した現行のインディカーについて角田裕毅は、F1マシンとの違いを強調し、「もっとカートに近い感覚で、色々と楽しめました」と語った。
「F1マシンはシステムや電子制御で制御されていますが、インディカーはもっとダイレクトな感覚ですね」
「後輪のスライドを抑えるためにアクティベーション・フェーズを制御しなければならないですし、少しドリフトしたりスライドできたりして楽しかったです。走り始めてすぐに快適に感じたので、少しばかり攻めることができました」
HRC USのデイビッド・ソルターズ社長は、「ターン3のように、全力でプッシュしている彼の姿が本当に印象的だった」と評価した。