INEOSによるメルセデスF1買収報道を否定するトト・ウォルフ「でっち上げ」
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メルセデスAMGペトロナスF1チームのチーム代表兼CEOを務めるトト・ウォルフは、今季よりタイトルスポンサーに就いている英国の石油大手「INEOS(イネオス)」が、英国ブラックリーのチームの買収に合意間近だとする報道を否定した。
英Daily Mailは12日(土)、元F1ドライバーのエディ・ジョーダン並びに別の情報筋からの情報として、INEOSがチームの全株式の70%を7億ポンド(約950億円)で購入する契約に合意間近であり、チームの名称は変更され、トト・ウォルフも代表としての役割を終えるとの見通しを伝えた。
© Daimler AG / INEOS会長のジム・ラトクリフとメルセデスAMGペトロナスF1チームのトト・ウォルフCEO兼チーム代表
これに対してトト・ウォルフは報道の翌日、親会社のダイムラーにチームを手放す意向はなく、また、INEOS側も株式の買収によって経営権を得ようとする意思はないとした。
更に「私個人としては保有株式を手放す理由はない」「多くの事がでっち上げられている」と述べると共に「チームの将来は明確だ。メルセデスAMGペトロナスF1チームである事に変わりはない」と語った。
INEOSは、ジム・ラトクリフ卿が1998年に創業した英国ロンドンに本社を置く多国籍化学企業で、2019年度の収益は日本円にして9兆円に達する。また会長を務めるジム・ラトクリフ卿は、イギリスで最も裕福な人物として知られており、アメリカの経済誌「Forbes」の2020年の報道によると、推定総資産額は178億ドル(約1兆8,800億円)で世界第74位の富豪としてランク付けされている。
近年の同社はスポーツ関連のスポンサーシップに積極的で、アメリカズカップに参戦する「Ineos Team UK」を所有する他、昨年は「Team Sky」と呼ばれていたロードレースチームの強豪を1億ポンドで買収し「Ineos Grenadiers」として手中に収めた。なお、メルセデスは「Ineos Team UK」や「Team Sky」の技術支援を行っている。