ウィリアムズ、F1の最先端テクノロジーを他分野に応用提供する新会社を設立
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FIA-F1世界選手権に参戦するウィリアムズ・レーシングは2024年4月11日(木)、F1で培った最先端のイノベーション、テクノロジーを他分野に応用提供する新会社「ウィリアムズ・グランプリ・テクノロジーズ(Williams Grand Prix Technologies)」の設立を発表した。
レーシングチーム同様、米国の投資会社ドリルトン・キャピタルが所有するこの新会社は、英国グローブにあるテクノロジー・キャンパスに拠点を置く。
ウィリアムズは以前、F1で培われた技術を他のビジネス領域に提供するウィリアムズ・ハイブリッド・パワー・リミテッド、ウィリアムズ・アドバンスト・エンジニアリングという2つの子会社を持っていたが、前者は2014年3月にGKNに、後者は2022年2月にフォーテスキューに売却された。
F1では、コンセプトの立案から競技開始までの期間が僅か12ヶ月ほどしかなく、各チームは驚異的な開発サイクルでマシン開発を行っている。
9度のコンストラクターズ選手権と7度のドライバーズ選手権、そして通算優勝114回を誇る実績を元にウィリアムズ・グランプリ・テクノロジーズは、他のモータースポーツ、高級自動車、航空宇宙、防衛、海洋、エネルギー、スポーツ、ライフスタイルなどの幅広い新しいセクターにリソース、資産、技術、スキルセット、人的資源を提供していく。
また、F1チームのテクニカルパートナーらと密接に連携し、シミュレーション・インテリジェンスやデータ・エンジニアリングなどの高度なソリューションも顧客に提供していく計画だ。
これらには以下のようなサービスが含まれる。
- プラットフォームダイナミクス:車両やシステムの動作・挙動を分析し、最適化するサービス
- 先進材料:新しい素材の開発や既存素材の性能向上を目指すサービス
- シミュレーションとモデリング:複雑なシステムやプロセスのシミュレーションを通じて設計や改善を行うサービス
- 計器とデータ解析:センサーや計測データを活用し、問題の特定やパフォーマンスの向上をサポートするサービス
- ハイパフォーマンスコンピューティング:高度な計算リソースを利用して、複雑な解析やシミュレーションを実行するサービス
さらに、風洞やドライバー・イン・ザ・ループ・シミュレーター、シングルスクリュー試験機、8ポストリグ、シャーシリグなどのインハウスのプロトタイプテストと評価リソースを活用し、顧客のニーズに応じたテストや開発を行っていく。
マシュー・サベージ会長は、新会社の設立により「F1から生まれた革新と血統を他の幅広い分野にもたらすことができる」と語る。
「顧客の問題を解決するために我々は、エンジニアリングに関する経験、専門知識、能力を独自に組み合わせて提供する」
「発表前という段階にも関わらず、さまざまな顧客から大きな関心が寄せられている」
「我々は世界最高峰のモーターレースでの50年以上に渡る競争の経験と技術を活かしていく。これはウィリアムズだけが提供できる独自の実績だ」
「また、広範なドリルトン・グループの傘下という立場によりウィリアムズ・グランプリ・テクノロジーズは、グループ全体のサービスを提供することで顧客が利用できる技術とサービスをさらに強化する事ができる」