ホンダとザウバーの決別の噂は承知している、とウェーレイン「僕にはどうすることも出来ない」

パスカル・ウェーレインcopyright formula1.com

ザウバーのパスカル・ウェーレインは、ホンダとザウバーを巡る様々な噂については全て承知していると語る一方、2018年がどうなるのかは自身にも分からないと主張した。

各種報道では、ホンダのザウバーへのエンジン供給の契約が解消されるとの噂が蔓延している。ホンダF1はこれを明確に否定しているものの、契約締結時にザウバーの代表を務めていたモニシャ・カルテンボーンが辞任したことで、両者を巡る状況が変化してきているのは事実だ。

ウェーレイン、決別の噂について語る

ホンダは今年4月に、マクラーレンに加えて来季からザウバーに対してもエンジン一式を供給する事を発表している。ザウバー・ホンダの将来を巡る憶測について問われたウェーレインは、F1公式サイトで次のように述べた。

「来年どうなるのかは僕には分からないよ。もちろん、色んな噂があるのは知ってるさ。でも、僕にはどうすることも出来ないから気にしちゃいないよ。今は今年だけに集中してるんだ。決定権は僕じゃない人たちにあるわけだし、僕は出来る限り良いパフォーマンスを示すためにここにいる、それだけなんだ」

「もちろんザウバーが上手く行くことを祈ってるよ。ポテンシャルはあるし、過去には良いポジションにつけていたから、彼らがその時のような立場に戻って欲しいと思ってる。その方法と時期についてはまた別の問題だよ」

混迷するザウバーチーム体制

カルテンボーンの後任としてチーム代表に着任した元ルノーのフレデリック・バスールは、就任早々ホンダとの契約を再評価すると公言、事態は急変した。バスールの発言の背景には、ホンダF1エンジンのパワー不足と信頼性の欠如、そしてバスールが”サラリーマン”に過ぎないという事実が見え隠れしている。バスールとすれば、上司であるザウバーの所有者ロングボウ・ファイナンスに対して、一刻も早く自身の能力を示したいところであり、ホンダとの契約再評価は実施して然るべきタスクと言える。

両者の契約は既に締結されており、ホンダF1の長谷川祐介によれば、ホンダとザウバーは来季に向けて既に協業していると言う。仮にザウバー側からの申し入れによって契約を解除するとなれば、契約書面上に記されているであろう解除要項に応じて、ザウバー側が何らかの違約金を払う事になるのが一般的と考えられる。

決別の可能性は低い?遅くとも夏前の決断が必要

提携のきっかけとなったのはザウバー側からのアプローチであり、ホンダが率先して望んだものではないとされる。ホンダとしては嫌がるザウバーを無理に引き止めたりはしないだろうが、現実問題として考えると、契約の解除または破棄はあまりにもハードルが高いように思われる。もしザウバーが離別を希望するならば、彼らの顧問弁護団は膨大な契約書を前に、重箱の隅を突くような作業に追われる事になるだろう。

安易に考えるならば、契約見直しの話は株主に対するバスールの点数稼ぎと考えるのが妥当であるが、先行きは以前不透明なままだ。14年に導入されたパワーユニットによって、F1マシン開発はこれまで以上に複雑になっている。2018年のマシン開発を考えれば、遅くとも夏前には結論が出される事になるだろう。7・8月中になんらの発表もなければ、”ザウバー・ホンダ”の誕生は間違いないものだと考えて差し支えない。

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