ルマン24時間連覇に向け、WECトヨタがテストで最速「全て予定通り」とアロンソ

ル・マン24時間テストデーでサルト・サーキットを走行するトヨタ TS050 HYBRIDcopyright TOYOTA MOTOR CORPORATION

ル・マン24時間レース公式テストセッションが仏サルト・サーキットで6月2日(日)に行われ、セバスチャン・ブエミ、中嶋一貴、フェルナンド・アロンソの3名が駆るTS050 HYBRID 8号車がこの日の全体ベストとなる3分19秒440を記録。マイク・コンウェイ、小林可夢偉、ホセ・マリア・ロペスの7号車が、8号車から0.809秒遅れの2番手タイムを刻み、ル・マン連覇の野望に向けてTOYOTA GAZOO Racingが好調な出だしを見せた。

「2台でトータル100周以上、1000km以上を走破する事ができた。良い一日になったと思う」とフェルナンド・アロンソ。「多くの有意義なデータが得られたし、生産的なテストになった。全てが予定通りだし満足している」2度のF1ワールドチャンピオンは、ルマンを以てWECトヨタチームを離れる事が決定している。

ル・マン24時間プレ・イベントとして行われた今回のテストは、公道を含めた1周13.626kmのサルト・サーキットをレースウィーク以外で走れる唯一のチャンス。上空は晴れ渡り、気温30℃と申し分ないテスト日和に恵まれ、チームは8時間のセッションの中で、空力やハイブリッド・ブーストなど広範囲にわたるセッティング作業の他、タイヤの仕様チェックを実施した。トヨタは2台で合計220周、距離にして2998kmを走り込んだ。

2週間後のル・マン本戦に参加するためには、過去の勝者と言えどもテストデーで最低3周の計時走行を消化する必要がある。トヨタ勢は全てのドライバーが問題なく周回。無事にこの規定を満たし参戦権を手にした。

性能調整によって最低重量が10kg増加した影響もあり、この日TS050 HYBRIDが刻んだファステストは、昨年のテストデーでのタイムに対して僅かに後れを取るも、同じLMP1クラスのレベリオン・レーシング1号車をドライブし3番手タイムを刻んだニール・ジャニ、アンドレ・ロッテラー、ブルーノ・セナ組に対して1.883秒という大差をつけた。

とは言えトヨタに気の緩みはなく、小林可夢偉は「今日のラップタイムで全てを結論づけてしまうのは早すぎます。まだ始まったばかりですし、路面も更に変化していくはずです」と語った。

来季TOYOTA GAZOO Racingにレギュラードライバーとして加入するブレンドン・ハートレーは、この日初めてTS050 HYBRIDをドライブ。不測の事態に備えるリザーブドライバーとしてルマンに帯同すべく、クルマの感触を確かめた。

チームはこのままル・マンに留まり、4日(火)にパーマネント部分の1周4.14kmブガッティ・サーキットでシェイクダウン・テストを行う。最終戦ル・マンのレースウィークは、9日(日)にル・マンの市街地で行われる公開車検で幕を開ける。

WEC第8戦ル・マン24時間テスト結果(LMP1クラス)

順位 No. ドライバー チーム 周回 タイム
1 8 中嶋一貴
セバスチャン・ブエミ
フェルナンド・アロンソ
ブレンドン・ハートレー
TOYOTA GAZOO Racing
トヨタ TS050 HYBRID
108 3:19.440
2 7 小林可夢偉
マイク・コンウェイ
ホセ・マリア・ロペス
ブレンドン・ハートレー
TOYOTA GAZOO Racing
トヨタ TS050 HYBRID
112 3:20.249
3 1 ニール・ジャニ
アンドレ・ロッテラー
ブルーノ・セナ
レベリオン・レーシング
レベリオンR13・ギブソン
77 3:21.323
4 11 ミカエル・アレシン
ヴィタリー・ペトロフ
ストフェル・バンドーン
SMPレーシング
BRエンジニアリングBR1・AER
61 3:22.061
5 3 ナタナエル・ベルトン
トーマス・ローレン
グスタボ・メネゼス
レベリオン・レーシング
レベリオンR13・ギブソン
84 3:22.194
6 17 ステファン・サラザン
イゴール・オルトツェフ
セルゲイ・シロトキン
SMPレーシング
BRエンジニアリングBR1・AER
70 3:22.199
7 10 ヘンリク・ヘドマン
ベン・ハンリー
レンジャー・ヴァン・デル・ザンデ
ドラゴンスピード
BRエンジニアリングBR1・ギブソン
31 3;25.211
8 4 オリバー・ウェッブ
トム・ディルマン
パオロ・ルバーティ
バイコレス・レーシング・チーム
エンソ・CLM P1/01・ギブソン
47 3:26.991

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