セバスチャン・ベッテル、現役引退後の第二の人生はエンジニア?

スクーデリア・フェラーリのセバスチャン・ベッテル、2020年F1オーストラリアGPにてcopyright Ferrari S.p.A.

スクーデリア・フェラーリのセバスチャン・ベッテルは、レーシングドライバーとしての現役生活を終えた後の第二の人生でエンジニアに転向する可能性を認めた。表舞台で頂点を極めた後、今度は裏方でF1を支え、これを引っ張るベッテルの姿を見ることが出来るかもしれない。

フェラーリは28日、ファンから募った質問に答える4度のF1ワールドチャンピオンの動画をソーシャルネットワークで公開した。ベッテルは自宅の一室と思われる場所のソファに腰を下ろし、コーディという名のファンからの「レーシングドライバーを終えた後にエンジニアリングとしてのキャリアを追求するかどうか」との質問に対して次のように答えた。

「プロ(のレーシングドライバー)としてキャリアを歩み始める前、高校を卒業した時の事だけど、僕は大学に行って機械工学を勉強するつもりだったんだ。だから、それは考えられる事だね」

「その間に他にも様々な事に興味を持つようになったけど、物事がどのように機能するのかを学んだり理解したりするのがずっと好きだった。僕はそういうのに魅了されちゃうんだ」

「マシンの仕組みや開発とか、どのようにして機能してるのかって事なんかを学ぶのが好きなのさ。だから、将来の可能性としてはあり得るかもしれない」

ベッテルは11歳の時にレッドブルジュニアに加わり、以降、オーストリアの飲料メーカーの支援を受けながら腕を磨いていった。そして自身が19歳になった2007年のF1アメリカGPで、負傷したロバート・クビサの代役としてグランプリデビューを果たし、当時のF1史上最年少入賞者として名を刻んだ。

あれから13年。ベッテルも円熟の32歳を迎えた。イタリアメディアの報道によるとフェラーリはベッテルに1年の契約延長をオファーしたようだが、年俸大幅ダウンと伝えられており、ベッテルがサインするかどうかは分からない。現役続行に意欲を示しているが、今季末を以て歩みを止めないとも言い切れない。

F1を始める前の若き日の自分に何か伝えたいことは?と問われたベッテルは「特に何かアドバイスをしたいとは思わない。すべての物事は起こるべくして起こるんだと僕は思ってる。もちろん、こうしてキャリアを歩んでこれた事は本当に凄く幸運な事だ。僕は自分が近道に興味があるとは思わない」と答えた。

また、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のアウトブレイクに関してアドバイスを求められたベッテルは、それは専門家の役割であって自身はそのような立場にないと前置きした上で「自分自身を大切に。他の人たち、特に年配の人たちに気を配ること。他人と距離を置こう。手を洗おう。他者を尊重し、状況を尊重すること。軽んじず真摯に受け止め、責任を持って」と語った。

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