フェルスタッペン、ドライバーを超えて人間性に根ざしたペレスへの敬意
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最近ではチームオーダーを巡って緊張が走った事が話題となったが、それにも関わらずマックス・フェルスタッペン(レッドブル)はレーシングドライバーとしてのそれを超えて、一人の人間として僚友セルジオ・ペレスに敬意を抱いているようだ。
2022年シーズンのF1サンパウロGPでは、ペレスを先行させろとのチームオーダーに対してフェルスタッペンが「二度と言うな」と断固聞き入れず、チームメイトに先んじてレースをフィニッシュする一悶着があった。
この出来事は物議を醸し、両者の関係悪化を危惧する声も上がったが、フェルスタッペンのペレスに対する敬意は、彼の運転技術やチームへの貢献だけでなく、人間性に根ざしたより深いものであるようだ。
チェコの愛称で親しまれている7歳年上のペレスに対する印象についてフェルスタッペンは英「Daily Mail」とのインタビューの中で「僕が好きなのは、彼が家族思いで、友人に対して非常に思いやりがあるところなんだ」と語った。
同じマシンを駆る唯一のドライバーであるチームメイトは最大のライバルと言われる。時にコース上で、時にクルマの外で激しい火花を散らすこともあるが、フェルスタッペンに言わせれば、モータースポーツでのキャリアは人生の中の一コマに過ぎない。
「(レーシングドライバーにとっての)F1の意義は本当に大きく、多くの成功を収めたいと思うものだけど、仮に成功しなくても世界が終わるわけじゃない。僕も同じように考えている」とフェルスタッペンは語る。
「僕らは共にレースで優勝しているし、彼は最も成功したメキシコ人だ。でもそれが全てじゃない。人生の大半は現役を退いた後も続くわけだからね」
ペレスはフェルスタッペンがF1デビューを果たした2015年以前からグリッドにいるが、関係を深めていったのはレッドブルでチームメイトとなって以降のようだ。
「チェコのことをよく知るようになったのはここ数年のことなんだ」とフェルスタッペンは語る。
「僕がアブダビで初めてワールドタイトルを勝ち取った時、彼はチームのために途方もないドライビングを見せてくれた。本当に見事だった」
「以前の僕らは、特に僕がトロロッソで走り始めた頃はライバル同士だったんだけど、その後、もう少し個人的に彼を知るようになったんだ」
2021年のアブダビGPでペレスは、後続のルイス・ハミルトンを抑え込む事でフェルスタッペンのチャンピオン獲得を助けた。
レースを終えた直後、ペレスは「彼は本当に素晴らしいチームメートだし最高な奴なんだ。そんな彼のタイトル獲得に貢献できたんだから、これ以上の喜びはないよ」と語った。
F1での成功は当然、レーシングドライバーとしての渇望の対象だが、フェルスタッペンにとってそれ以上に大切なのは、人間としての尊敬と信頼を築くことなのかもしれない。
そう考えると、フェルスタッペンが2028年末までの現行契約の満了を以てF1での現役生活に終止符を打つ可能性を真剣に考えているのも頷ける。