アルファタウリ・ホンダ、”弱点なき”AT01…3連戦でマクラーレンとレーシングポイントに挑む

自身のヘルメットをダニール・クビアトに見せるアルファタウリ・ホンダのピエール・ガスリーcopyright Red Bull Content Pool

アルファタウリ・ホンダのピエール・ガスリーとダニール・クビアトが、シルバーストン・サーキットで開催される2020年FIA-F1世界選手権第4戦イギリスGP及び第5戦F1-70周年記念GP、そしてカタロニア・サーキットで行われる第6戦スペインGPに先立って抱負を語った。

昨年のイギリスGPでは、クビアトがレース最終盤にアルファロメオのキミ・ライコネンを猛追。あと一歩届かなかったものの、9位入賞を果たした。アレックス・アルボンはファイナルラップまで10番手を走行していたものの、限界を迎えたミディアムタイヤが悲鳴を上げ、ルノーのニコ・ヒュルケンベルグとマクラーレンのランド・ノリスにゴボウ抜きにされ、最終12位でフィニッシュした。当時レッドブル・ホンダに所属していたガスリーは4位入賞と、堅実なリザルトで週末を締め括った。

アルファタウリ・ホンダ:イギリスGPに向けて

ピエール・ガスリーAT01に大きな弱点はない

3戦を終えて、特にエアロに関して改善すべき箇所点があるのは分かっているけど、素直に動いてくれるマシンに仕上がっていると言えるんじゃないかな。もっと多くのパフォーマンスを見出せると思うし、クルマには特にこれと言った大きな弱点があるわけでもない。よりバランスが取れたクルマに仕上げるためには 、2~3つのことを改善しなければならない。最も重要なのは、もう少しダウンフォースを増やすことだ。

僕らのパフォーマンスを考える上では、ミッドフィールドで幾つかのチームが昨年と比べて大きく飛躍したという事実を踏まえなきゃならない。特にレーシングポイントとマクラーレンがそうだ。ウィリアムズも明らかに大きな進歩を遂げており、今ではルノーと同様に中団グループの一角を占めていると見なせる。今の僕らは前にいる連中との差を縮めて、願わくば追い抜くことだ。

先週、ミルトンキーンズのファクトリーで丸一日シミュレーター作業に取り組んだ。いつもとは違って移動制限があったから、エンジニアとは一緒じゃなかったんだけど、ファエンツァとバイチェスターの皆が参加するビデオ会議でブリーフィングを行った。こうした状況にも徐々に慣れてきたよ!

さて、次もトリプルヘッダーだね。3戦連続でレースをしていると少し疲れが出てくるものだけど、僕はハンガリーであまり走れなかった(ギアボックストラブルでリタイヤ)から、その点では文句はないよ。でも、チームのメカニックやエンジニアは別さ。非常に慌ただしいスケジュールだし、仕事の進め方にも制約が課せられているからね。何度もトリプルヘッダーをやるのは簡単な話じゃないんだ。パドック全員にとっても本当に過酷だ。

シルバーストンは今シーズンのベスト・トラックのひとつだ。高速コーナーが多く、マゴッツやベケッツといったシーズンの中でも最もエキサイティングなコースがあるからね。現行マシンでは、コップスやマゴッツと同じようにターン1もエンジン全開で走れるから、事実上サーキットのコーナー数が少なくなったも同然だし、以前と比べてエンジンパワーとストレート区間でのスピードの重要性が上がっている。でも今も変わらずドライブするのが最高に楽しい。

シルバーストンでの第2レースでは、第1レースの時よりも柔らかいコンパウンドが供給されるから、その点を考慮に入れて第2戦に向けての取り組み方を考えなきゃならない部分がある。多くの高速コーナーを持つサーキットは、1周を通してタイヤに加わるエネルギー量が多い。これは予選にも影響してくるし、オーバーステアやアンダーステアの発生頻度にも影響を与える。レースディスタンスを走る事を考えると、タイヤマネジメントが重要なテーマになるだろうね。

シルバーストンでのレースが終わると、次は今年すでにドライブしたことのあるスペインへ向かう。今となってはずいぶん前のことだけど、冬のテストで得たデータがあるから、マシンが2月以降にどれだけ進化したのかを確認するのが楽しみだよ。あの時は凄く寒かったけど、8月中旬はかなり暑く、コンディション的には全然違うけどね。例年スペインでのレースは5月上旬だけど、今回は暑い季節でのレースになるから、タイヤにはかなり厳しいことになるだろうね。特に、カタロニア・サーキットはフロンタイヤに厳しいし。

ダニール・クビアトFP2: 1位, FP1: 1位

F1が再びカレンダーを作り上げたのは素晴らしいことだ。オーストリアとハンガリーで再びレースをすることができて幸せだった。

まだ3レースが終わっただけだから、現時点ではまだマシンの長所と短所を見極めるのは少し難しい。僕はエンジニアと協力して、どのレースでも堅実なベースラインで以て週末をスタートすべく、努力している。

全体的にレースペースには満足しているけど、ブダペストの予選ではマシンに満足出来ていなかった。でもその理由が分かったから、今週末のシルバーストンでは少し違うことを試しみて、改善できるかどうかを確認したいと思っている。決勝レースでの走りには満足しているけど、10番手前後からスタートできればもっと楽に戦えるようになるだろうから、予選での1ランを向上させる方法を見つけ出したい。

ミッドフィールドの争いは去年よりもかなり接近しているように思う。例えば躍進したレーシングポイントは僕らよりも前にいるし、それはマクラーレンにも言えることだと思っている。この2つチームの存在は厄介だ。

ハンガリーGPを終えて、久しぶりにシミュレーターを使った仕事に取り組んだ。僕自身にとってもチームにとっても非常に有益だった。エンジニアとビデオ通話しながらの仕事だったけど、上手く機能したよ。最初は違和感があったんだけどね。

次もトリプルヘッダーだけど、かなり厳しかったとは言え、既に3戦連続でレースをしているし大きな問題はなかったから大丈夫だと思う。レース数が多いから、自分自身のエネルギーレベルを管理して、次の3連戦に向けても同じようにフレッシュな状態で臨む必要がある。もちろん、メカニックにとっては本当に過酷だけど、少なくともヨーロッパで開催されるレースならば移動に長時間のフライトは必要ないし、時差ボケに悩まされることもないだろう。

シルバーストンでは2連戦を行う。ここは非常に興味深いコースだ。ロングストレートが良いレースを演出してくれる。ドライブするのは楽しいから、素晴らしい週末にするために鍵となるベースラインのセットアップをすぐに見つけることができれば良いね。

課題は、第2レースでは第1レースと異なるコンパウンドのタイヤを使うことになる点だ。より柔らかいタイヤを使わなきゃならず、これは非常に大きな変化だから、上手くマネジメントする方法を見つけ出すために、フリー走行を使ってできる限り早く挙動と方法を理解しなきゃならない。

トリプルヘッダーの3戦目はバルセロナで行われる。当初のカレンダーでは5月に予定されていたけど、カレンダー再編の影響で8月中旬に開催される。プレシーズンテストの時や5月とは違って気温が高くなる事が予想される。通常とは異なるコンディションの中でのレースは楽しいだろうし興味深いね。


F1イギリスGPの戦いの舞台となるのは、英空軍飛行場跡地に建設されたシルバーストン・サーキット。1周5,891mのコースはモータースポーツの聖地として知られる。昨年のグランプリでは、地元出身のルイス・ハミルトン(メルセデス)が優勝。2位にバルテリ・ボッタス(メルセデス)、3位にシャルル・ルクレール(フェラーリ)という結果だった。

F1イギリスGPは、日本時間7月31日(金)19時からのフリー走行1で幕を開ける。

F1-70周年記念GP特集

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