4年目の角田裕毅の「一貫性の向上」をもたらした”2つ”の要因
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F1での4年目を迎えた角田裕毅(RBフォーミュラ1)は生粋のスピードに加え、安定したパフォーマンスを発揮しているが、この目覚ましい成長の背景にはダニエル・リカルドの存在があるという。
レッドブルのモータースポーツ・アドバイザーを務めるヘルムート・マルコが角田裕毅に「問題児」の烙印を押したのは、2シーズン目の夏のことだった。
「トラフィックパラダイス」発言に象徴されるように、角田裕毅はヘルメットを被ると自分を律することができず、感情に支配されることがしばしばだった。
それは3年目を迎えた昨年も変わらず、メキシコGPでは「できるだけ早く追い抜かなければ」と気持ちが高ぶり、不必要な場面でオスカー・ピアストリ(マクラーレン)に仕掛けてクラッシュを喫してリタイヤと、おそらくは7位という大量ポイントを逃すこととなった。
しかしながら4年目を迎えた今年は、自制心の欠如、突発的な感情の爆発、そしてミスをしやすいという、これまで抱えていた3つの問題の「全てがなくなった」とマルコに言わしめるほどにまで成長。自身にとっての連続入賞記録を更新するなど、安定したパフォーマンスを発揮している。
何が一貫性の向上をもたらしたのだろうか? それはリカルドとの良好なコミュニケーションが可能にする週末内でのクルマの立て直しと、感情の制御を含めたリカルドからの学びだと角田裕毅は言う。
蘭RacingNews365によると角田裕毅は、「コミュニケーションは良好で、(フリー走行を通して課題を抱えても)予選に向けてセットアップを含むあらゆる要素をまとめ上げるなど、週末の間に状況を好転させることができていると思います」と語った。
「なので、それは間違いなく(自身のパフォーマンスの)一貫性に影響していると思います。また、感情のコントロールを含めて彼は全般的に、より完成したドライバーだと思います」
「例えば、過去数年間に渡って僕は、特に感情のコントロールにおいて、かなり悪い状況からスタートしました。幾つかの週を通じてどれだけ一貫性を保てるかが重要ですが、新たに僕のチームメイトになった彼はその点で本当に強く、僕よりも遥かに優れていました」
「彼から学んだそういったことが、シーズンを通して僕の一貫性に影響を与えたことは確かです。特に感情のコントロールは週全体のパフォーマンスのムードに影響を与えます」
「レース毎に成長できているのは、パフォーマンスに関する知識を含めて彼からあらゆるものを学んでいるからだと思います」
仕事仲間として、ある種の理想的な関係を築いているようだが、角田裕毅が早々と2025年のRB残留を掴み取った一方、8度のグランプリウィナーはまだ来季の契約がなく、2人のパートナーシップはあと半年で終わりを迎える可能性がある。
もう一つのシートの最有力候補はリカルドとリザーブ・ドライバーのリアム・ローソンと見られるが、角田裕毅は「それは僕が決められることではありません」と述べ、自身に決定権はないと説明した。
「チームメイトが誰になっても構わないのですが、ダニエルは技術的なフィードバックを含めたあらゆる面で多くをもたらしてくれていて、当然ながら僕らにとって重要な存在です」
「彼から得たものは多く、僕らが恩恵を受けたものの幾つかはおそらく彼のおかげだと思いますが、決断するのは彼らです」