メルボルン消える? F1オーストラリアGPの候補にシドニーが浮上、モナコ的市街地コースで招致検討
Published: Updated:
伝統のアルバート・パーク・サーキットでのグランプリが2025年で終わりを迎える可能性が出てきた。「Seven News Sydney」は21日(木)、現在契約が満了を迎える2026年以降のグランプリ開催について、ニュー・サウス・ウェールズ(NSW)州政府が真剣に招致を検討していると報じた。
NSWと言えば州所有の常設トラック、シドニー・モータースポート・パークがあるが、会場として検討されているのは港湾地域の市街地を使ったモナコのようなストリートサーキットだと言う。
なお石張りの支柱と鋼鉄のアーチを持つシドニーのシンボル、ハーバーブリッジは安全上の問題から除外されるようだ。かつて同地では2005年にマーク・ウェバーがウィリアムズFW27をドライブした事がある。
同国でのF1は1996年以来、毎年メルボルンのアルバート・パークで開催されてきたが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミックの影響で2020年大会は土壇場での中止を余儀なくされ、今年はビクトリア州政府が課した厳しい検疫・入国規制により再度のキャンセルに追い込まれた。
一部報道では、F1側にはビクトリア州政府の強硬な方針に対する不満の声があるとも伝えられているが、NSW州の今回の動きがパンデミックに関連したものなのかどうかは分かっていない。
なおオーストラリアGPの現地プロモーターのトップを務めるアンドリュー・ウェスタコットはThe Sydney Morning Heraldに対して、ビクトリア州政府とのこれまでの長期的な関係を引き合いに出して現行契約の有効性を強調し、2026年以降もメルボルンでのF1開催を目指していく考えを示した。
シドニーは過去に少なくとも2回、オーストラリアGPの開催権を奪おうとして失敗している。
2010年、当時のNSW首相であったクリスティーナ・ケネリーがシドニー郊外のホームブッシュで、しかも夜間にレースを開催するという仰天の計画を発表した。また2015年にはマイク・ベアード前NSW州首相が2021年以降のレース開催のために1億8,000万ドルを用意したと報じられたが、いずれも実現には至っていない。