同士討ちのフォースインディア、チーム内バトル禁止令を発動「受け入れ難い失態」
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レーシングポイント・フォースインディアのチーム代表兼CEOを務めるオトマー・サフナウアーは、9月16日のF1シンガポールGP決勝で発生した同士討ちを受けて、チーム内バトル禁止令を発動した事を明らかにした。エステバン・オコンとセルジオ・ペレスは今後、レース中に互いに競い合う事が出来なくなる。
2018年F1第15戦シンガポールGP決勝レースでは、例年通りオープニングラップでクラッシュが発生。7番手を走行していたペレスがターン3でアウト側のオコンを追いやるような形で接触。右フロントサスペンションを中心にマシンが破損したオコンは、1周も走り切ること無くレースを終えた。
フォースインディア勢は予選で7番手と9番手を獲得。ダブル入賞への期待が高かったにも関わらず、チームメイトの同士でのクラッシュによって大量のチャンピオンシップポイントを失う事となった。シーズン中の新規エントリーによって前半戦の全てのポイントを失い、これを挽回すべく挑んだレースであっただけに、サフナウアー代表が激怒するのは止むを得ない。
「非常にガッカリしている。同士討ちなど断じて受け入れられない。チームメイト間での接触がリザルトに大きく影響した」とサフナウアー。
「二人は互いに十分なスペースを残さなかった事で接触し、エステバンが壁に押しつけられた。今回のインシデントを受けて、チーム内バトル禁止令を復活させる事にした。今後チーム内バトルは許されない」
事故によってリタイヤに終わったオコンは、直接的にペレスを批判することは避けたものの、自分には何の責任もないと暗に仄めかした。
「何が起きたのかを掘り返す気はないよ。唯一言えるのは、僕はスタートを上手くやり、セルジオを追い抜くチャンスを見つけたって事だけさ。僕はアウト側にいてグリップもあった。でも、ぶつけられて壁に追いやられた」
一方のペレスは、オコンの存在に気づいていなかったと主張。加えて被害者は自分であると言わんばかりに「ぶつけられたのを感じた」と語る。
「パワーを得て加速していたら、ターン3の所で突然何かにぶつけられたのを感じたんだ。相手が誰かは分からなかったんだけど、チームが無線でエステバンだって伝えてきたんだ。チームには本当に申し訳ないって思ってるよ。全てのレースでポイントを獲得しなきゃならない状況なのにこんな形になってしまったんだから」
オコンがリタイヤを喫した一方、ペレスは生き残ってレースを継続。だが、レース中盤に再び他車に激突するミスを犯した。
34周目、セルゲイ・シロトキンとのバトルを繰り広げていた際、サイド・バイ・サイドから半車身程前に出た所で突然シロトキン側にステアリングを切りクラッシュ。コース上にはパーツが散乱。ペレスの左リアタイヤはパンクし、不必要なピットインを余儀なくされた。