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F1ハンガリーGPの初日を迎えた7月19日に、世界的規模でWindows OS 搭載パソコンに発生したシステム障害の影響はF1チームにも及び、ハンガロリンクでの最初のプラクティスを前にメルセデスは対応を余儀なくされた。
この問題は、米セキュリティ企業CrowdStrikeがマイクロソフト社のWindows OS向けに提供したアップデートを原因とするもので、FP1を前にメルセデスのピットウォール上のモニターにブルースクリーン(重大な不具合が起きた際にWindowsパソコンに表示される画面)が発生しているのが目撃された。
メルセデスは2019年よりCrowdStrikeとパートナーシップを結んでおり、シルバーアローはトラックサイドにおける業務に同社のグローバル・サイバー・セキュリティシステムを使用している。
幸いにもルイス・ハミルトンとジョージ・ラッセルは初日最初のプラクティスに参加。各々、10番手と4番手タイムを記録した。
障害の影響についてメルセデスのエンジニアリング・ディレクターを務めるアンドリュー・ショブリンはFP1を経て、CrowdStrikeおよび関連パートナーから「素晴らしいサポート」を受けて対処したと説明した。
「少しばかり取り組まなければならない作業があった。我々のガレージやピットウォールなどには数多くのコンピューターがあるのだが、それらすべてをアップデートする必要があり、それをやり遂げた」
「ゼロではないにせよFP1への影響は最小限だった。少し作業が増えたが、今は元に戻っている」
CrowdStrikeは法人向けセキュリティーソフトを主力事業としており、その顧客は銀行や航空会社、鉄道、病院、テレビ・ラジオ放送局など幅広く、今回のシステム障害の影響は広範に及んだ。
F1チームはネットワークを介してマシンと現場、現場とファクトリーなどの間で膨大な量のデータをリアルタイムで共有しており、メルセデスはCrowdStrikeのソフトウェアを使用してセキュリティ対策を講じている。
国際自動車連盟(FIA)によると、今回の障害によるF1のサービスへの影響はないとのことで、現時点ではメルセデス以外のチームについても問題は確認されていない。
CrowdStrikeのジョージ・カーツ最高経営責任者(CEO)は同社のサイトを通して陳謝するとともに、問題を特定して修正プログラムを適用したとして、同社のシステムはすべて復旧し、正常に動作していると説明した。
CrowdStrikeの広報担当者によると、問題は同社のソフトウェア「Falcon」の不具合により発生した。
F1を含めたチームはシステムへの依存度を高めており、2021年のエミリア・ロマーニャGPのFP1ではシステム障害により国際映像が停止するなど、光ファイバーのトラブルにより大きな混乱に見舞われた。