RLL、2021年限りでの佐藤琢磨の離脱を発表「インディ500優勝への感謝の想いは永遠に続く」
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レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング(RLL)は10月5日(火)、2度のインディ500王者、佐藤琢磨とのインディカー契約を2021年を以て終了とする事を発表した。
佐藤琢磨は2012年と2018~21年の2回、計5シーズンに渡ってボビー・レイホールとデビッド・レターマン、そしてマイク・ラニガンが共同オーナーを務めるRLLのドライバーを務め、2020年のインディ500では2度目の優勝を果たした。
RLL在籍中、佐藤琢磨はインディ500以外にも2018年のポートランドと2019年のバーバー及びゲートウェイでトップチェッカーを受けて計4勝を挙げた。RLLでのシーズンランキングの最高位はインディ500でのダブルポイント獲得に後押しされた2020年の7位で、在籍中に3度のポールポジションを獲得した。
マイク・ラニガンは「私は琢磨のコース上での能力だけでなく、コース外での身の処し方についても心から敬意を抱いている。彼がチームのためにしてくれた事、そして彼がもたらしてくれた成功、特に2020年のインディアナポリス500での優勝への感謝の想いが潰える事はない」と感謝の気持ちを述べた。
また、ボビー・レイホールは「長年に渡って、2度も琢磨と共に仕事に取り組めた事を光栄に思っている。彼が日々、サーキットやチームとしての全ての活動にコミットメントとエネルギーをもたらしてくれた事に感謝している」と語った。
「もちろん2020年のインディ500で優勝という称号とともにPeople Readyのマシンを持ち帰ってくれた事への恩義は永遠に続く事だろう。あれは私個人にとってもマイクと彼の家族にとっても、そしてチーム全体にとっても、本当に特別な瞬間だった。この上なく素晴らしい勝利だった」
「琢磨と共に仕事をするのは本当に楽しかった。技術のみならず、チームに対する彼の献身的な取り組みは疑う余地がなかった」
「彼の今後のさらなる活躍を願ってやまない。私は彼と今後もかわらず友人でありたいと思っている」
チームは佐藤琢磨への感謝の気持ちを込めて、9分40秒にも及ぶメモリアル動画「Thanks for the Memories, Takuma」を合わせて公開した。
シーズン中に最も多くポジションアップを果たしたとしてタグ・ホイヤーの「Don’t Crack Under Pressure」賞を受賞するなど度々決勝で印象的な巻き返しを見せたものの、佐藤琢磨にとっての今季は近年最悪のシーズンと呼べる程に難しいものだった。
昨年のインディ500で2勝目を飾った44歳の日本人ドライバーは2021年に1勝もできず、表彰台もゼロ。更にはポールポジションもゼロに終わった。未勝に終わったのはA.J.フォイト時代の2016年以来のことであり、ランキングも11位と低迷した。
佐藤琢磨は2シートに空きがあると見られるデイル・コイン・レーシングへの移籍が噂されているが、13シーズン目のシリーズ残留の可能性は半々との認識を示している。
なおRLLは現時点で佐藤琢磨の後任を発表していないが、シモン・パジェノーに押し出された元メイヤー・シャンク・レーシングのジャック・ハーベイが移籍するとの見方が強い。