マクラーレンMCL35のペース不足に苦戦したダニエル・リカルド、原因はガスリーとの接触

アストンマーチンのランス・ストロールとやり合うマクラーレンのダニエル・リカルド、2021年3月28日のF1バーレーンGP決勝にてCourtesy Of McLaren

やはり、ダニエル・リカルドはマシンにダメージを負っていたようだ。チーム代表を務めるアドレアス・ザイドルによると、3号車マクラーレンMCL35はフロアの損傷によって「かなりのダウンフォース」を失っていたという。

マクラーレンでの初戦、3月28日のF1バーレーンGPを6番グリッドからスタートしたリカルドは、ニキータ・マゼピン(ハース)のクラッシュに伴うセーフティーカー導入後の4周目にピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)と接触した。

Courtesy Of Red Bull Content Pool

ピットイン作業でピエール・ガスリーのフロントウイングを交換するアルファタウリ・ホンダのクルー、2021年3月28日F1バーレーンGP決勝レースにて

フロントウイングとフロアを破損したガスリーは予定外のピットインを強いられ後方に転落。マシンダメージからパフォーマンスが制限され、終始後方でのレースを強いられた後にギアボックスへの懸念から52周目にリタイヤを選択した。

だがダメージを負ったのはガスリーだけではなかった。リカルドはその後も走行を続けたが、僚友ランド・ノリスのペースには及ばず、4位のノリスに対して7位という結果に終わった。そしてレース後、マシンの破損が確認された。

アドレアス・ザイドルは「レース後に、ピエールがレース序盤にダニエルの車体後方に突っ込んだ際の衝撃によるダメージがフロアに見つかった」と説明した。

「このレベルのダメージだと、かなりのダウンフォースが失われてしまう」

マクラーレンのF1マシンでの経験が不足しているリカルドにとって、MCL35Mのペース不足の理由がタイヤにあるのか、それともマシンにあるのかは判断が困難で、クルマがダメージを負っている事に気づいてはいなかった。

Courtesy Of McLaren

F1バーレーンGP決勝レース後にインタビューに答えるマクラーレンのダニエル・リカルド、2021年3月28日

リカルドは「週末全体を考えればかなり満足」と笑顔を見せた一方で、「レースそのものに焦点を当てるとかなり苦労していた。マシンからペースを引き出すことができず、出せたとしても、タイヤのせいなのかバランスの問題なのか…1~2周で直ぐにグリップがなくなってしまっていた」と怪訝そうな表情でレースを振り返った。

「レースが進むにつれて遅くなっていったように感じた。ソフトを履いた最初のスティントでは、ランドとシャルル(ルクレール)に多少なりとも付いていけたんだけど、ミディアムでは少し離され、ハードでは更に引き離されてしまった」

「マシンにダメージがあると仮定すると、幾らかペース不足の理由を説明できるとは思うんだけどね」

「もちろん、僕にとっては新しい事ばかりだから、個人的には更に改善させていくためにたくさん宿題がある」

「レースを通してクルマに対して感じたことや、どこが自分の妨げになっているのかなど、たくさん気づいた事があったから、チームにフィードバックしてみるつもりだ」

「チームも僕にフィードバックをくれるだろうし、次のイモラではより強くなって戻ってくる」

早々に傷を負ったものの、リカルドは最終的にノリスに19.538秒差で7位フィニッシュを果たし、チームとしては計18ポイントを獲得。コンストラクターズ選手権3位に付けてバーレーンを後にした。

アドレアス・ザイドルは「パフォーマンスの低下にも関わらず、ダニエルは自身の経験を活かして問題に対処し、チームのために重要なポイントを獲得してくれた。次のレースが楽しみだ」と付け加え、リカルドの労をねぎらった。

F1バーレーンGP特集

この記事をシェアする

モバイルバージョンを終了