マクラーレンMCL35のペース不足に苦戦したダニエル・リカルド、原因はガスリーとの接触
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やはり、ダニエル・リカルドはマシンにダメージを負っていたようだ。チーム代表を務めるアドレアス・ザイドルによると、3号車マクラーレンMCL35はフロアの損傷によって「かなりのダウンフォース」を失っていたという。
マクラーレンでの初戦、3月28日のF1バーレーンGPを6番グリッドからスタートしたリカルドは、ニキータ・マゼピン(ハース)のクラッシュに伴うセーフティーカー導入後の4周目にピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)と接触した。
フロントウイングとフロアを破損したガスリーは予定外のピットインを強いられ後方に転落。マシンダメージからパフォーマンスが制限され、終始後方でのレースを強いられた後にギアボックスへの懸念から52周目にリタイヤを選択した。
だがダメージを負ったのはガスリーだけではなかった。リカルドはその後も走行を続けたが、僚友ランド・ノリスのペースには及ばず、4位のノリスに対して7位という結果に終わった。そしてレース後、マシンの破損が確認された。
アドレアス・ザイドルは「レース後に、ピエールがレース序盤にダニエルの車体後方に突っ込んだ際の衝撃によるダメージがフロアに見つかった」と説明した。
「このレベルのダメージだと、かなりのダウンフォースが失われてしまう」
マクラーレンのF1マシンでの経験が不足しているリカルドにとって、MCL35Mのペース不足の理由がタイヤにあるのか、それともマシンにあるのかは判断が困難で、クルマがダメージを負っている事に気づいてはいなかった。
リカルドは「週末全体を考えればかなり満足」と笑顔を見せた一方で、「レースそのものに焦点を当てるとかなり苦労していた。マシンからペースを引き出すことができず、出せたとしても、タイヤのせいなのかバランスの問題なのか…1~2周で直ぐにグリップがなくなってしまっていた」と怪訝そうな表情でレースを振り返った。
「レースが進むにつれて遅くなっていったように感じた。ソフトを履いた最初のスティントでは、ランドとシャルル(ルクレール)に多少なりとも付いていけたんだけど、ミディアムでは少し離され、ハードでは更に引き離されてしまった」
「マシンにダメージがあると仮定すると、幾らかペース不足の理由を説明できるとは思うんだけどね」
「もちろん、僕にとっては新しい事ばかりだから、個人的には更に改善させていくためにたくさん宿題がある」
「レースを通してクルマに対して感じたことや、どこが自分の妨げになっているのかなど、たくさん気づいた事があったから、チームにフィードバックしてみるつもりだ」
「チームも僕にフィードバックをくれるだろうし、次のイモラではより強くなって戻ってくる」
早々に傷を負ったものの、リカルドは最終的にノリスに19.538秒差で7位フィニッシュを果たし、チームとしては計18ポイントを獲得。コンストラクターズ選手権3位に付けてバーレーンを後にした。
アドレアス・ザイドルは「パフォーマンスの低下にも関わらず、ダニエルは自身の経験を活かして問題に対処し、チームのために重要なポイントを獲得してくれた。次のレースが楽しみだ」と付け加え、リカルドの労をねぎらった。