忘れたわけでも選定ミスでもない「ベガスF1ウイング問題」の真相を明かすレッドブル代表ホーナー

ラスベガス市街地コースを走行するセルジオ・ペレスのレッドブルRB20、2024年11月21日F1ラスベガスGPフリー走行Courtesy Of Red Bull Content Pool

F1ラスベガスGPでは、レッドブルがリアウィングの選定を誤った、適切な低ダウンフォース仕様のウイングを持ち込むのを忘れたといった憶測が飛び交ったが、クリスチャン・ホーナー代表はこうした噂を一蹴した。

初日フリー走行でレッドブルは、マックス・フェルスタッペンをして17番手と低調な結果に終わった。特にストレートでのタイムロスが大きく、ライバルに対してコンマ5秒以上遅れていた。

英AUTOSPORTによると、これについてレッドブルのモータースポーツ・アドバイザーを務めるヘルムート・マルコは、「我々には、他の競争相手が使用しているような小型のリアウィングがない」と説明した。

マルコはまた、イベント2日目に向けて英国ミルトンキーンズのファクトリーから別スペックのリアウィングを空輸する可能性を除外した。

本来持ち込むべきリアウィングではなく、間違った仕様のリアウィングを持ち込んだのではとの噂について尋ねられたホーナーは、「まぁ、確かにそういうことも起こり得るだろうが、忘れたわけではない」と否定した。

マルコの発言の翻訳ミスなのか?との質問に対しては「どこから出てきた話なのか、よく分からないが、我々には、ここやモンツァで求められるような超低ダウンフォース用に特別設計されたウイングがないんだ」と答えた。

多くのチームは、イタリアなどの特定のグランプリ用に空気抵抗を最大限にまで削った特別なリアウイングを開発するが、過去にもそうだったように、レッドブルはこうしたウイングの開発を断念した。

現在のF1はコストが厳しく制限されている。フェルスタッペンがモンツァで指摘したように、レッドブルはその分の予算を他のエリアに費やした。

存在しないものは選択することも持ち込むこともできない。そこでレッドブルは、しばしば見られるように、現地でウイングを直接削り取って対処した。

「コスト上限が課される状況では、どこに予算を費やすのかを選ばなければならない」とホーナーは語る。

「だから我々は、必要なトップスピードを引き出せるよう手持ちのウイングをトリミングすることになる。多くのチームを含めて、これは一般的なやり方だ」

問題への対策を講じて臨んだFP3でフェルスタッペンは5番手タイムを記録した。トップスピードは幾らか改善されたように見える。

ホーナーは「まあまあだった。ただ当然のことだが、エンジンモードを変えると状況はかなり違って見える。結局のところ、リアウイングを忘れたわけではない」と付け加えた。

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