「傑出」する岩佐歩夢やF3に新風を巻き起こすハジャー、若手育成は今も健在とレッドブルF1
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レッドブル・レーシングのクリスチャン・ホーナー代表は、FIA-F2選手権で「傑出」した才能を放つ岩佐歩夢やF3で新風を巻き起こすアイザック・ハジャーらの名を挙げ、若手育成プログラムの健在をアピールした。
大阪府出身の20歳、岩佐歩夢は2019年に鈴鹿サーキット・レーシングスクールのスカラシップを獲得し、ホンダ・フォーミュラ・ドリーム・プロジェクト(HFDP)の育成メンバー入りを果たすと翌年に活動の場を本場ヨーロッパへと移した。
2020年にポールポジション5回、優勝9回を獲得する圧倒的な速さでフランスF4選手権を制すると、2021年にレッドブルの育成プログラム「レッドブル・ジュニアチーム」入りを果たし、同年のFIA-F3選手権ではルーキーとしてランキング8位につけた。
そして角田裕毅と同じ様に僅か1年でF3からFIA-F2選手権にステップアップすると、優勝1回、ポールポジション1回、表彰台5回を獲得。1シーズン目にして現在ランキング9位につけている。
レッドブルはモータースポーツ・アドバイザーを務めるヘルムー・マルコの指揮の下、セバスチャン・ベッテルを筆頭に、ダニエル・リカルド、マックス・フェルスタッペン、ピエール・ガスリー、角田裕毅、そしてアレックス・アルボンといった面々をF1に送り込み、長年に渡って優れた才能を輩出してきた。
だが昨年は長年の慣例を打ち破り、育成外のベテラン、セルジオ・ペレスと契約。プログラムの存在価値を疑問視する声も出始めた。事実、アルピーヌへの移籍が報じられるガスリーの後任にジュニアドライバーの名前が挙がる事はなかった。
また育成面だけでなく、才能を見出すという点においても大きな機会損失があった。才能を見誤ったがために、ホーナーが設立したアーデンチームに所属していながらもレッドブルは、後にF3とF2を連覇する事となったオスカー・ピアストリとの契約のチャンスを逃した。
しかしながらホーナーはポッドキャスト「Beyond the Grid」の中で、ルーキーながらもFIA-F3選手権で優勝3回、ポールポジション1回、表彰台5回を獲得し、現在タイトル争いを繰り広げる17歳のフランス人ドライバー、ハジャーや岩佐歩夢の名を挙げ、育成プログラムは今も健在だと主張した。
「我々は今も若手への投資を続けており、カートからF4へとステップアップしてきた者を含め、プログラムには才能あふれる幅広い若者たちが集まっている」とホーナー。
「レッドブルは本当に上手くやってきたと思う。若い才能に投資し、他の方法では得られないようなチャンスを与えてきた」
「今年のF3でアイザック・ハジャーは素晴らしいデビューシーズンを過ごしている。思うにフォーミュラ2に参戦している岩佐歩夢は傑出したドライバーだ」
「彼らはまさに我々のプログラムにおける2人だ」
「リアム・ローソンは厳しいシーズンを過ごしているが、それでも才能あるドライバーである事に変わりはない」
「デニス・ハウガーはF3で圧倒的なシーズンを過ごしたものの、F2では少し物足りない感じだ。だが、どの程度が彼に依るもので、どの程度が環境に依るものだのだろうか?」