フェルスタッペン及ばずハミルトン逆転優勝、最終盤に1点巡る熾烈なファステスト争い / F1ポルトガルGP《決勝》結果とダイジェスト
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2021シーズンFIA-F1世界選手権 第3戦ポルトガルGP決勝レースが5月2日に行われ、予選2番手のルイス・ハミルトン(メルセデス)が逆転の今季2勝目、通算97勝目を飾った。
7周目にマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)に交わされ一時は3番手に後退するも、11周目にDRS圏内を獲りポジションを回復。20周目に僚友バルテリ・ボッタスをパスして首位に立つと、そのままリードを守りきりトップチェッカーを受けた。
フェルスタッペンは2位表彰台に留まった。入りが遅く3速ギアが使えなかったようで、DRS検知ポイント直前の加速が鈍るという、追い抜きを掛けていく上で大きなハンデを抱えた。ポールシッターのバルテリ・ボッタス(メルセデス)は3位に後退した。
シーズン最終戦までもつれる激戦のチャンピオンシップが予想される中、1点でも多くを持ち帰るべく、最終盤にはレッドブル・ホンダとメルセデスによる熾烈なファステストラップ争いが繰り広げられた。
セルジオ・ペレス(レッドブル・ホンダ)が持つ最速タイムを塗り替えるべく、まずはボッタスがフリーストップを使って新品ソフトに交換。与えられた仕事をこなすと、フェルスタッペンもピットに入り1分19秒849をマーク。見事奪還したが、ターン14のトラックリミットでタイム抹消となり、エキストラボーナスはボッタスの手に渡った。
ペレスは僚友フェルスタッペンのアシスト役として、先行してピットに入った事実上のトップ、ハミルトンに抜かれるまで第一スティントを51周目まで引っ張る大役を担い、4位という堅実な結果を手にした。ファンはDriver of the Dayにペレスを選出した。
アルファタウリ・ホンダ勢はレースペースが上がらず苦しい争いを強いられたが、9番グリッドのピエール・ガスリーがファイナルラップを目前にカルロス・サインツ(フェラーリ)を交わしてポイント圏内に浮上。10位入賞を飾った。
角田裕毅は1周目に2ポジションダウンの16番手に後退。ミディアムスタートながらも21周目という早い段階でピットストップを行い最後尾にまで下がったが、最終的に15位フィニッシュで週末を終えた。
ミッドフィールド最上位はマクラーレンのランド・ノリス。シャルル・ルクレール(フェラーリ)を4.4秒差で抑えきった。ノリスの僚友ダニエル・リカルドは大きく巻き返して9位。ルクレールの僚友サインツは最後にガスリーにパスされ11位と悔しい結果に終わった。
予選結果ではチームメイト同士で明暗分かれたアルピーヌ勢。決勝では競争力あるペースを刻み、エステバン・オコンが7位、フェルナンド・アロンソは大きくポジションを上げての8位と、ダブル入賞を飾った。
第3戦の舞台は、コースの至る箇所に急なアップダウンを持つ高速のアルガルベ・サーキット。今年は従来のホームストレートに加えて、ターン4~5にDRSゾーンが追加された。
公式タイヤサプライヤーのピレリは最も硬いレンジのC1からC3までのコンパウンドを投入。当初はあまり使い道がないかと思われたハードが主役を担った。
決勝は日本時間2日(日)22時にブラックアウトを迎え、1周4684mのコースを66周する事で争われた。現地アルガルヴェは晴れ、チャンピオンシップポイントを争う決勝のフォーメーションラップは気温19℃、路面39℃のドライコンディションで開始された。
オープニングラップでは、4番グリッドのペレスがソフトスタート最上位のサインツに4番手を許し後退。角田裕毅はリカルドに抜かれ15番手に下がった。
2周目へと向かうホームストレートでは、キミ・ライコネンがアントニオ・ジョビナッツィの車体後方に接触。フロントウィングが脱落して大量のデブリが飛び散った事から、回収のためにセーフティーカーが導入された。
リタイヤしたライコネンは「自身のミス」と反省。ジョビナッツィは最終12位に終わり、アルファロメオにとっては残念な週末となった。
レースは7周目にリスタート。フェルスタッペンはハミルトンをオーバーテイクし2番手に浮上したが、その後ポジションを奪われた。角田裕毅はソフトを履くランス・ストロール(アストンマーチン)に先行を許し16番手に後退するも、14周目にジョージ・ラッセル(ウィリアムズ)を交わして15番手に回復した。
上位勢で先陣を切ってピットストップに動いたのはフェラーリ。6番手サインツが22周目にミディアムタイヤに履き替えたが、結果的にこれが終盤のペースダウンに繋がった。同じ周、角田裕毅もピットに入りハードタイヤに履き替えた。翌周にはソフト勢が相次いでピットになだれ込んだ。
トップ争いを繰り広げる3台の中では、フェルスタッペンが36周目にハードに交換。メルセデス陣営は即座に反応して翌周にボッタスをピットに入れ同じくハードを履かせたが、1周のウォームアップラップを経たフェルスタッペンに為す術はなく、ターン5で交わされ3番手に後退した。ラップリーダーのハミルトンは38周目にハードに履き替えフェルスタッペンをカバー。ポジションを守った。
中盤の終わりにはペレスが周回遅れのマシンと接触寸前のインシデントに見舞われる場面があった。
ハースの新人、ニキータ・マゼピンは後方確認を怠り、ペレスとホイール・トゥ・ホイールでコーナーイン。一件は青旗無視として審議の対象となり5秒のペナルティの裁定が下されたが、単独最後尾を走るマゼピンに影響はない。
終盤に輝きを放ったのはアロンソ。48周目にガスリーを、51周目にリカルドを交わし、57周目には同郷のサインツをパスして8位を手にした。
2021年F1第3戦ポルトガルGP決勝リザルト
Pos | No | Driver | Team | Laps | Time | PTS |
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1 | 44 | ハミルトン | メルセデス | 66 | 1:34:31.421 | 25 |
2 | 33 | フェルスタッペン | レッドブル | 66 | +29.148s | 18 |
3 | 77 | ボッタス | メルセデス | 66 | +33.530s | 16 |
4 | 11 | ペレス | レッドブル | 66 | +39.735s | 12 |
5 | 4 | ノリス | マクラーレン | 66 | +51.369s | 10 |
6 | 16 | ルクレール | フェラーリ | 66 | +55.781s | 8 |
7 | 31 | オコン | アルピーヌ | 66 | +63.749s | 6 |
8 | 14 | アロンソ | アルピーヌ | 66 | +64.808s | 4 |
9 | 3 | リカルド | マクラーレン | 66 | +75.369s | 2 |
10 | 10 | ガスリー | アルファタウリ | 66 | +76.463s | 1 |
11 | 55 | サインツ | フェラーリ | 66 | +78.955s | 0 |
12 | 99 | ジョビナッツィ | アルファロメオ | 65 | +1 lap | 0 |
13 | 5 | ベッテル | アストンマーチン | 65 | +1 lap | 0 |
14 | 18 | ストロール | アストンマーチン | 65 | +1 lap | 0 |
15 | 22 | 角田裕毅 | アルファタウリ | 65 | +1 lap | 0 |
16 | 63 | ラッセル | ウィリアムズ | 65 | +1 lap | 0 |
17 | 47 | シューマッハ | ハース | 64 | +2 laps | 0 |
18 | 6 | ラティフィ | ウィリアムズ | 64 | +2 laps | 0 |
19 | 9 | マゼピン | ハース | 64 | +2 laps | 0 |
NC | 7 | ライコネン | アルファロメオ | 1 | DNF | 0 |
コンディション
天気 | 晴れ |
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気温 | 19℃ |
路面温度 | 39℃ |
セッション概要
グランプリ名 | F1ポルトガルGP |
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レース種別 | 決勝 |
レース開始日時 |
サーキット
名称 | アルガルベ・サーキット |
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設立 | 2008年 |
全長 | 4684 m |
コーナー数 | 15 |
周回方向 | 時計回り |