ホンダF1 田辺TD、予選に向けライバルの前進を予想「比較解析を経て最適化を進めていきたい」

ガレージからコースへと向かうレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペン、2021年9月3日F1オランダGPのフリー走行にてCourtesy Of Red Bull Content Pool

1985年以来36年ぶりにザントフォールト・サーキットで開幕を迎えたF1オランダGPの初日セッションは、計3度の赤旗によって走行時間が制限される展開となったものの、ホンダF1エンジン勢はマックス・フェルスタッペンとピエール・ガスリーが上位につけるなど、まずまずのスタートを切った。

FP1ではセバスチャン・ベッテル(アストンマーティン)がパワーユニットのトラブルに見舞われ赤旗が振られた。FIAのネットワークトラブルが発生した事もあり40分近くの走行時間が失われた。

グリーンフラッグ後にアタックラップに挑んだフェルスタッペンは、スタンドに駆けつけたファンの熱狂的な声援を受けながら2番手タイムをマーク。ガスリーは10番手タイムを刻んだ。

一方、トラフィックに阻まれた事もありセルジオ・ペレスは16番手と奮わず、角田裕毅は3周を走行したもののパワーユニットにマイナートラブルを抱え、ノータイム最下位でセッションを終えた。

続くFP2ではルイス・ハミルトン(メルセデス)がオイルシステムに問題を抱えて再び赤旗中断に。更に、再開後にはニキータ・マゼピン(ハース)がスピンを喫してグラベルの餌食となった事で再度レッドフラッグが振られた。

マゼピンのストップにより、フェルスタッペンは新品ソフトでセクター1全体ベストを記録していたもののラップの中断を強いられ、結果として5番手でクルマを降りた。ペレスは12番手でセッションを終えた。

ガスリーはタイムを縮めて7番手に名を刻み、角田裕毅はFP1で失った走行時間を取り戻すべく精力的に周回を重ねて30周をマーク。ペレスから0.15秒落ちの13番手で初日を終えた。

2021 F1オランダGP ホンダ勢FP2結果
順位 ドライバー タイム 周回
5 マックス・フェルスタッペン 1:11.264 +0.362 28
7 ピエール・ガスリー 1:11.462 +0.560 29
12 セルジオ・ペレス 1:11.946 +1.044 27
13 角田裕毅 1:12.096 +1.194 31

過去のデータがない状況という事で、2日目に向けては全車がパフォーマンスレベルを大きく引き上げてくる事が予想される。ホンダF1の現場統括責任者を務める田辺豊治テクニカル・ディレクターはそんなライバルのデルタを上回る改善を目指すべく、最適化を進めていきたいと語った。

「F1オランダGPの初日は両セッション共に、トラブルやコースアウトによって赤旗中断が発生して走行時間を限られてしまいました。ですが最低限のメニューを消化し、データを収集する事ができました」と田辺TD。

「FP1ではアルファタウリ・ホンダの角田選手のパワーユニットに不具合が発生してしまい、その修復に時間が掛かってしまいましたが、FP2で問題なく走行できる事を確認しました」

「FP1及びFP2で試したセッティングの結果と実走データを元に、各々チームと比較解析の作業に取り組んでいきます」

「明日に向けてはライバルチームもセットアップを突き詰めてパフォーマンスを上げてくる事が予想されますので、我々もそれに負けないように最適化を進め、声援を送ってくれるファンに期待に応えられればと思っています」


計3度の赤旗中断を強いられた初日をトップで締め括ったのはシャルル・ルクレール。2番手にはカルロス・サインツが続きフェラーリがタイムシートの最上部を占拠した。3番手はエステバン・オコン(アルピーヌ)という結果となった。

F1オランダグランプリ3回目のフリー走行は日本時間9月4日(土)19時から、公式予選は同22時から1時間に渡ってザントフォールト・サーキットで開催される。

F1オランダGP特集

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