メルセデス、F1ハンガリーGPでの判断ミスを”ようやく”認める
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メルセデスはF1第11戦ハンガリーGPでのリスタートの際にタイヤ交換に動かなかった戦略的判断を「絶対的に正しかった」として断固正当化していたが、それがもたらした結果と他車の状況から、それがミスであった事は誰の目にも明らかだった。
1周目の事故によって5台が姿を消した後、ハミルトンを含めた全15台はインターミディエイトを履き、赤きメルセデスAMG-GT R先導の下、フォーメーションラップへと向かっていったが、グリッドに着いたのはハミルトン1台のみというF1史上類を見ない展開を迎えた。
半濡れ路面での1ラップを経て、15台中14台がグリッドに着かずにスリックタイヤに履き替えた一方、ラップリーダーのハミルトンはインターのままグリッドに着き、1周遅れで晴れ用スリックに交換。これによって最後尾にまで転落した。
レース直後、チーム代表のトト・ウォルフはSky Sportsとのインタビューの中で、あの判断の妥当性を疑うものは”チーム内に存在しない”と言い切り「正直に言って、絶対的に正しい判断を下したと思っている」と語った。
「リーディングカー足る立場にいる際に決断を下すのは常に難しい。もし自分のみがピットに入った形になれば最後尾になってしまう」
チームの指揮官の些か厳しい言い訳に対し、メルセデスのテクノロジー・ディレクターを務めるマイク・エリオットはレース後恒例のブリーフィングビデオの中で「後知恵だが、我々が間違った選択を取った事は明らかだ」と述べ、自分達が判断ミスを犯した事をようやく認めた。
「赤旗後にどのタイヤを装着するかについては本当に頭を抱えたが、他の全車はグリッドに着くまでの1周で考えを変えてインターを装着した。我々もそうすべきであった事は明らかだ」
メルセデスがピットストップを躊躇した理由は、ハミルトンがラップをリードする立場にあったからという事だけではなかった。
「我々のピットボックスはピットレーンの最も先にあるため、ピットレーンに入ってボックスに入ると後方からクルマが押し寄せてくる事になる。そうなればルイスがボックスから出るのが難しくなり、遅れてしまう可能性があった」
「更に、もし無理やりピットレーンに出ようとすれば、他のクルマと衝突する可能性もあった。実際、あの一連のピットストップではそうした事が起きていた」
「我々の直近のライバル(マックス・フェルスタッペン)は遥か後方にいたため、我々が成すべきことは愚かなミスによって他車との衝突を避ける事にあった」
「ただ実際には、たとえ通り過ぎる車列を最後まで待つ事になったとしても、ピットインした方が良かった」