マクラーレンF1、2021年よりメルセデスエンジン復帰の見通し
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マクラーレンが2021年シーズンより、メルセデスAMGとパワーユニット供給契約を締結する可能性が浮上した。英BBC他、欧州メディアが相次いで報じた。既にシリーズを統括するFIA国際自動車連盟側に通知がなされているとのことだが、現時点でFIA、マクラーレン、メルセデス、ルノーからの発表はない。 F1ロシアGP フリー走行3の開始を前に正式に発表された。
報道によると、マクラーレンとメルセデスは、少なくとも2024年末までの4年契約合意間近に至っているという。マクラーレンは2005年から2014年末までメルセデスエンジンの供給を受けていたものの、1.6リッターV6ハイブリッド・ターボエンジン導入2年目の2015年にホンダとの関係をスタートさせた。
「マクラーレン・ホンダ」として活動は3年に渡って続けられたが、目標に掲げていたチャンピオンシップ制覇の夢が現実のものとなることはなく、2017年末を持って関係を解消。英国ウォーキングのチームは当時、ホンダの代替としてメルセデスにアプローチしていたものの断られ、2018年よりルノーと新たな道を歩み始めた。
だがそこで明らかとなったのは車体側の性能不足だった。ホンダ時代はエンジンサプライヤーに成績不振の責任を擦り付ける発言が目立ったが、ルノーとの初年度で白日の下に晒されたのは、マクラーレン自身が「フィールド最速」と絶対的な自信を誇示していたシャシーが、2番目に遅いクルマに過ぎなかったという悲劇であった。
だがその後大規模な人事異動と改革を経て、今年のマクラーレンは大きく前進。残り6レースという状況の中で、メルセデス、フェラーリ、レッドブルに次ぐチャンピオンシップ4位につけている。
問題はある。F1スポーティングレギュレーション第8条3項では「マニュファクチャラーはFIAの承認なしに、直接・間接の別を問わず、4チーム以上にエンジンを供給することはできない」と定めている。メルセデスは現在、自チーム以外に、レーシングポイントとウィリアムズの2つのプライベーターにパワーユニットを供給しているため、この規則に抵触する可能性がある。
仮にマクラーレンがメルセデスへと移転する事が決まると、ルノーは2021年以降、自チームのみの単独供給となる見通しだ。フェラーリは、自身のワークスチームに加えてアルファロメオとハースへと供給。ホンダは現在、レッドブルとそのジュニアチームのトロ・ロッソに供給している。