マクラーレン、F1開幕を前にバーレーン国立銀行と200億円の融資契約
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今週末にオーストリアで開催される2020年シーズンのF1開幕戦を前に、マクラーレンはバーレーン国立銀行(the National Bank of Bahrain)との間で1億5000万ポンド(約198億5,000万円)の融資契約に合意した。
英国ウォーキングのチームは新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響による経営危機を回避すべく、運転資金の確保のためにいくつかの選択肢を検討してきた。
その内の1つは、法的手続きを開始して社屋やファクトリーと歴史的なヘリテージカー・コレクションを担保にローンを組む事で、もう一つはバーレーン王国の政府系ファンドであるマムタラカト・ホールディング社が44%の株式を所持するバーレーン国立銀行を通して資金を確保する事にあった。同社はマクラーレン・グループの株式の55%を保有する筆頭株主だ。
バーレーン国立銀行は6月29日(月)に声明を発表。その中で「最終書面に署名が行われ、1億5000万ポンドの融資に関連して必要となる全ての承認が成立した」と述べた。
これによりマクラーレンは短期的な心配からは開放され、今週金曜に開幕するレッドブル・リンクでのレースに集中する事ができる。ただし長期的には十分な金額とは言えず、依然としてキャッシュが焦げ付く可能性が残っている。
マクラーレンはF1事業並びにロードカー部門の両方で新型肺炎の経済的打撃を受けており、7月17日までに2億7,500万ポンドを調達できなかった場合、破産のリスクさえあるとされていた。既にリストラにも着手しており、グループ全体で約1,200人の従業員を解雇する。
ホンダと袂を分かち、ルノーとの2年目に臨んだマクラーレンは昨年大きな進歩を遂げ、2012年以来の最高成績となるコンストラクター4位に輝き、中盤の最速チームとしての称号を手にしている。