元マクラーレン代表マーティン・ウィットマーシュ、アストンマーチンで7年ぶりにF1復帰

元マクラーレンのチーム代表であり、アストンマーチン・パフォーマンス・テクノロジーズのグループCEOに就任したマーティン・ウィットマーシュCourtesy Of Aston Martin Lagonda Limited

かつてマクラーレンのF1チーム代表を務めていたマーティン・ウィットマーシュが2021年10月1日付で、アストンマーティン・パフォーマンス・テクノロジーズのグループ最高経営責任者(CEO)に就任する事が発表された。

アストンマーティン・パフォーマンス・テクノロジーズは主要産業分野にイノベーション、エンジニアリング、テスト、製造などのノウハウを提供する事を目的に、グループ内の技術力や知的財産を開発、応用する新設の組織で、F1チームは子会社として傘下に加わる。

マーティン・ウィットマーシュは1989年~2014年の25年間に渡って、グループCEOやF1チーム代表(2008年~2014年)など、マクラーレンで上級職を務めた人物で、マクラーレン・オートモーティブとマクラーレン・アプライド・テクノロジーズを立ち上げる等、F1以外の事業領域を開拓した事でも知られる。

F1においては100回以上のグランプリ優勝と複数回のタイトル獲得において主導的な役割を果たし、ルイス・ハミルトンを含めたトップドライバーの育成という部分でも中心的な役割を果たした。また、2009年から2013年の4年間に渡っては、フォーミュラ1チームズ・アソシエーションの会長を務めた。

マーティン・ウィットマーシュは就任発表に際して次のように述べた。

「ローレンス(ストロール、アストンマーチン会長)とは長年の付き合いで、その優れたビジネスセンスと無尽蔵ともいえる野心には常に感心させられてきた」

「ローレンスはアストンマーティンによるF1世界選手権の制覇を目指しているが、私はそれが全くもって達成可能な目標であると心から確信している。そうでなければ、この組織に加わる事はなかった」

「私はF1で勝つために何が必要かを知っている。ローレンスのリーダーシップに触発され、従業員のスキル、情熱、決意に支えられ、私はローレンスが決意したように、チームが勝利を掴めるよう全力を尽くす覚悟だ」

ローレンス・ストロール会長はマーティンウィット・マーシュの役割について次のように説明した。

「マーティンは上級リーダーとして、アストンマーティン・パフォーマンス・テクノロジーズとその子会社の戦略立案において私を支援し、サポートする事になる」

「その中にはF1チームを今後4~5年のうちにF1世界選手権で優勝できる組織へと変革する事や、同じ期間内に10億ポンドのビジネスへと発展させるという重要な目標も含まれている」

「マーティンは、モータースポーツ、自動車、航空宇宙、海洋、再生可能エネルギーの各分野で長く成功し注目を集めてきただけでなくF1での実績もある。彼は私やシニア・マネジメント・チームと協力して、オン・ザ・トラックとオフ・ザ・トラックの両方で将来の成功に向けて従業員を導き、鼓舞するに最適な人物だ」

チーム代表兼CEOのオトマー・サフナウアーはマーティン・ウィットマーシュを「経験豊富で有能なビジネスリーダー」と称し、その起用にとって「私はアストンマーティンF1チームの勝利のために100%全力投球する事ができる」と語った。

マーティン・ウィットマーシュは成績不振の責任を取らされる形で2014年にマクラーレンを去った後、アメリカスカップ参戦を目指すベン・エインズリー(BAR)のCEOに就任。更に、フォーミュラEのグローバル・アドバイザーを務めると共に、モータースポーツにおける多様性を高めるために2020年にハミルトンが立ち上げた「ハミルトン・コミッション」の上級委員も務めている。

この記事をシェアする

モバイルバージョンを終了