ル・マン24：トヨタ、6年連続ポール…ハートレー最速「可夢偉、申し訳ない！」

Published：2022/6/10 12:07 Updated：2022/8/26 17:54

2022年FIA世界耐久選手権（WEC）第3戦、第90回ル・マン24時間レースのスターティングリッドを決定するハイパーポールが6月9日(木)にサルト・サーキットで行われ、トヨタ・ガズー・レーシングのGR010ハイブリッド8号車がポールポジションを獲得した。

セバスチャン・ブエミ、平川亮と共に8号車をドライブするブレンドン・ハートレーは3分24秒408をマーク。自身初、トヨタにとって6年連続となるル・マンでのポールを獲得した。トヨタは通算ポールでアウディに並ぶ歴代2位タイ（8回）に浮上した。

昨年大会の勝者、マイク・コンウェイ、ホセ・マリア・ロペスと共に7号車を駆る小林可夢偉は、ジャッキー・イクスが持つル・マン史上最多記録に並ぶ5度目のポールを目指したもののチェッカー後にハートレーに交わされ、0.420秒及ばず2番手グリッドに並ぶ事となった。

セッションを終えたハートレーはポールを逃した小林可夢偉に対し「申し訳なく思う」とする一方、「本当に嬉しい」と語った。

「素晴らしいマシンを用意してくれたチーム、そして最高の時間を過ごさせてくれたチームメイトに感謝したい」

「当然、プレッシャーはあった。特にラストラップを前にしたコース上のトラフィックに引っかかってしまったため、チャンスは1度きりだった。それだけにフィニッシュラインを越えて結果を見た瞬間の感覚は言葉にできなかった」

「ポール連続獲得記録を途絶えさせることになってしまい可夢偉には申し訳ないけど、彼にはまだこれからもチャンスがある。決勝に向けて気持ちを切り替えなきゃならないけど、今はこの気分をじっくり味わいたい」

ポールを逃した小林可夢偉は「僕自身、そして7号車にとっては少し悔しい結果となりましたが、ブレンドンのアタックは素晴らしかったです」と僚友のパフォーマンスを評価した。

「ブレンドンと8号車のポール獲得という素晴らしい結果をうれしく思います」

「彼らはル・マンに入ってから早い段階でトラブルに見舞われましたが、クルーが懸命の作業でこの問題を克服し、ポールポジションという結果に結びつけました」

「僕自身も全力でアタックしましたが、トラフィックの影響でタイムを出し切れませんでした。ですが、こういったことが起きるのも予選です」

「明日の決勝では僕らトヨタ勢が最前列からスタートします。好位置からのスタートですし、パフォーマンスにも自信を持っています。ライバルとの争いは本当に接近しているので、決勝でもエキサイティングなバトルを楽しみにしています」

「決勝レースはとても長く、マシンの信頼性がもっとも重要な要素となります。目標は優勝です」

LMGTE Proクラスでは64号車コルベットがリード。ニック・タンディがセッション序盤に刻んだ3分49秒895秒が、アントニオ・ガルシアのドライブする姉妹車を僅か0.192秒差で上回った。

LMP2クラスはロビン・フラインス駆る31号車WRTが3分28秒394を記録。ユナイテッド・オートスポーツUSAの41号車に1.6秒もの大差をつけた。

LMGTE Amクラスでは、ヴィンセント・アブリル駆る61号車AFコルセが木村武史のチームメイト、ミッケル・イェンセンがドライブするケッセル・レーシングを下した。

なおFP3では8号車が電気系統のトラブルに見舞われ、小林可夢偉がトップタイムをマークした。またハイパーポール後に2時間に渡って行われた夜間のFP4ではロペスが最速を刻んだ。

昨年のル・マンで劇的な初勝利を成し遂げた小林可夢偉、コンウェイとロペスの3名が駆る7号車にとって今年のル・マン24時間レースは防衛戦であり、またトヨタにとっては2018年の初勝利以来続く5連覇が懸かった一戦となる。

記念すべき第90回ル・マン24時間レースの決勝は6月11日(土)の現地16時（日本時間23時）にスタートの時を迎える。当初は全62台、計186人が参加する予定であったが、プラクティスでの度重なる事故に絡んだフィリップ・シマドモが出場禁止処分を受けた事で、TDSレーシングが決勝のグリッドに着けるかどうかは不透明な情勢となっている。

ル・マン24時間レースは11日(土)の日本時間22時30分からJ Sportsにて生放送される。2,515円（税込）に基本料金を加えた2,944円（税込）が1ヶ月間の視聴料となるが、スカパー！では契約月の基本料・視聴料が無料となる。

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