ジェンソン・バトン、オフロード初陣「バハ1000」でリタイヤ…砂漠の只中で17時間孤立
Published:
ジェンソン・バトンのオフロードレース・デビュー戦は、メカニカルトラブルによるリタイヤというほろ苦い結果に終わった。2009年のF1ワールドチャンピオンは、亡き父ジョンが設立したカートチーム「ロケット・モータースポーツ」を名乗り、11月19日から24日かけてメキシコのエンセナダで行われたバハ1000に参戦した。
世界で最も古く、そして名高いレースとして知られるバハ1000は、今年52回目の開催を迎えた。舞台となったのは、カリフォルニア半島北部の険しい砂漠に位置する800.50マイル(約1288km)のレースコース。完走率は僅か54.92%と、今年も過酷さを極めた。
今季限りでスーパーGTを離脱したジェンソン・バトンは、現在F1解説者として仕事しているSkyをスポンサーに迎え、伝統のオフロードレースでステアリングを握ったものの、チェッカーを受けられずに途中リタイヤに終わった。
「スタートは順調だったんだ」とジェンソン・バトン。「5台を交わしてポジションを上げ、その後は7・8台が故障とかクラッシュで消えていった。良いリズムで走れていたし、必要に応じてクルマの面倒をみながら、高速で流れるようなセクションを快走していた」
「でも235マイルを通過したところで、クルマからかなり大きな音がした後、駆動力が無くなってしまったんだ。温度関係は全部問題なかったし、クルマをケアしながら走っていただけに奇妙ではあるんだけど、そういう事態に陥ってしまった」
「問題は、故障したポイントがとんでもなく人里離れた場所だったって事だ。結果的に僕らは一晩中、トータルで17時間を星空の下で過ごした。その間に僕らが会ったのは、ライトの汚れをきれいに拭き取ってほしいって僕らに頼んできた他のレーサーだけだった」
「エネルギーバー(栄養補助食品)で空腹を満たし、火を絶やさないように、絶えず小枝を探さなきゃならなかった。僕とコ・ドライバーのテリー・マッデンはその平穏なひとときを楽しんだ。”これがバハなんだ”なんて話をしながらね」
「期待していたレースにはならなかったけど、これも人生の経験だ」
優勝はアラン・アンプディア。今季インディカーシリーズで惜しくもランキング2位に終わったアレキサンダー・ロッシは、クラッシュによりリタイヤを喫した。