インディカー第11戦ナッシュビル《決勝》:赤黄旗9回の大荒れ!マシン反転級事故もエリクソン2勝、佐藤琢磨は巻き返し実らず…
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2021インディカー・シリーズ第11戦ミュージックシティGPの決勝レースがテネシー州現地8月8日(日)に行われ、マーカス・エリクソン(チップ・ガナッシ)が今季2度目の勝利を飾った。
舞台となったのはシリーズ初登場の11ターン、2.17マイルのナッシュビル市街地コース。誰もが口を揃えて”超バンピー”と評した新設仮設ストリートでの80周のレースは、9度のペナルティと9回のコーションが入り乱れる大荒れの展開となった。
エリクソンもまた、混乱の原因を作った一人だった。開始から5周目、前走のセバスチャン・ブルデーのリアに追突した事でエアボーン・クラッシュ並みにフロアがあらわになるほど車体が宙に立ち上がった。
回避可能な接触であったとして、エリクソンにはストップ&ゴー・ペナルティが科せられた。
ブルデーはリタイヤを余儀なくされたが、エリクソンはフロントウイングを修復してレースに復帰。2番手を走行するポールシッターのコルトン・ハータが残り5周目に朝鮮戦争退役軍人記念橋先にあるターン9でクラッシュを喫した事で、チームメイトのスコット・ディクソンに1.5596秒差のトップチェッカーを受けた。
「正直に言って信じられないレースだった」とエリクソン。
「インディカーでは何が起きるか分からない。だから絶対に諦めちゃだめなんだ。良いチームと良いマシンがあればウイニング・レーンに辿り着く事ができる」
「今日はコルトンが本当に速かった。結果として燃料を節約しながら彼を抑える事ができた。僕のキャリアの中でも最高のパフォーマンスのひとつだった」
「彼がフェンスにぶつかってしまったのは残念だ。彼は僕らの一緒に表彰台に上るべきドライバーだったからね」
3位はジェームズ・ヒンチクリフ。6月のベルアイルでの14位を大きく更新する今季ベストをマークした。4位にはライアン・ハンター=レイが続き、アンドレッティ・オートスポーツが今シーズン初めてトップ5に2台を並べた。
今季ワーストの24番グリッドに着いたレイホール・レターマン・ラニガン・レーシングの佐藤琢磨はセットアップ変更が功を奏したか、序盤にオーバーテイクを重ねて順調に巻き返していたものの、20周目の再開と同時に発生したウィル・パワーとシモン・パジェノーのチーム・ペンスキー勢のクラッシュに巻き込まれリタイヤを余儀なくされた。
なおチームメイトのグレアム・レイホールは5位、サンティノ・フェルッチは11位フィニッシュを果たした。
アクシデント必至のオープニングラップでは、各車慎重にレースをスタートするもダルトン・ケレットがメカニカルトラブルを抱えて停車。一回目のイエローコーションが出された。佐藤琢磨は2ポジションアップを果たした。
ピットオープンと当時に、直前のウォームアップラップで週末2度目のクラッシュを喫したジミー・ジョンソンがノーズを交換。レースは4周目に再開されるも、エリクソンがブルデーのリアに乗り上げ2回目のイエローコーションが出された。
REPLAY: Yellow Flag is back out after an incident involving @Ericsson_Marcus and @BourdaisOnTrack.
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9周目にリスタートを迎えると、今度は16周目にルーキーのスコット・マクラフリンがエド・ジョーンズに左リアを突かれてスピン。コースを塞ぐ形となって3度目のイエローが出された。
このタイミングでアレックス・パロウ、ヒンチクリフら8台が早くもピットストップに動いた。パロウは最終的に7位フィニッシュを果たしてチャンピオンシップでのリードを広げた。
19周目に再開されるや否やパワーとパジェノーがターン1で接触。順調にオーバーテイクを重ねて見事な追い上げを見せていた佐藤琢磨やリーナス・ビーケイら7台が巻き込まれて赤旗が振られた。
レッドフラッグ中に許可を得ずに修復作業を行ったとしてジョンソンは失格となった。佐藤琢磨はリタイヤを余儀なくされた。
REPLAY: The incident involving multiple drivers that brought out the red flag in Nashville.
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23周目にグリーンフラッグが振られると、ラップリーダーのハータは後続のアレクサンダー・ロッシに対して2周で4秒差を付けるハイペースを刻んでリードを広げていった。
31周目、修復を終えてコースに戻ったビーケイがシケインを曲がり切れずクラッシュを喫し、この日4回目のフルコースイエローが出された。このタイミングで第1スティントを引っ張ったハータを含む全車がピットストップに動いた。
オーダーは大きく変わり、エリクソン、ハンター=レイ、ヒンチクリフ、ハータの順に37周目にリスタートを迎えるもグリーンは長くは続かない。
41周目にマクラフリンとパワーが接触。これにケレットが突っ込み5回目のイエローが出された。50周目にグリーンフラッグを迎えるも、今後は8番手争いを繰り広げていたパトリシオ・オワードがロッシのイン側に飛び込み接触。6回目のイエローコーションとなった。
このタイミングでエリクソンやハータを含む複数台がラストピットストップに動いた。
グロージャン先導の下、レースは53周目に再び再開を迎えるも、55周目にコーディー・ウェアが単独スピンを喫して7回目のイエローが出された。
グロージャンがピットインした事で、レースはエリクソン、ディクソン、ヒンチクリフの順で残り11周、58周目にリスタートを迎えたが、優勝目指して猛追していたハータが残り6周で単独クラッシュ。イエローの後に赤旗が振られた。
他のトップ10フィニッシュ組が2度のピットでチェッカーフラッグを受けた一方、残り2周でリスタートを迎えたエリクソンは、ストラテジストのマイク・オガラの巧妙な戦略に後押しされ、5回のストップを行いながらも大逆転勝利を掴み取った。
ハイライト動画
2021年ナッシュビル決勝結果
Pos. | Start | Driver | Gap |
---|---|---|---|
1 | 18 | マーカス・エリクソン Chip Ganassi |
–.—- |
2 | 2 | スコット・ディクソン Chip Ganassi |
1.5596 |
3 | 10 | ジェームズ・ヒンチクリフ Andretti |
2.3918 |
4 | 14 | ライアン・ハンター=レイ Andretti |
2.8015 |
5 | 13 | グレアム・レイホール RLL Racing |
4.0833 |
6 | 26 | エド・ジョーンズ Dale Coyne |
4.7715 |
7 | 9 | アレックス・パロウ Chip Ganassi |
5.5333 |
8 | 4 | フェリックス・ローゼンクビスト McLaren SP |
5.9667 |
9 | 15 | エリオ・カストロネベス Meyer Shank |
6.7874 |
10 | 12 | ジョセフ・ニューガーデン Team Penske |
7.5286 |
11 | 17 | サンティノ・フェルッチ RLL Racing |
8.4929 |
12 | 20 | コナー・デイリー Ed Carpenter |
8.8320 |
13 | 8 | パトリシオ・オワード McLaren SP |
9.1207 |
14 | 11 | ウィル・パワー Team Penske |
9.5956 |
15 | 6 | ジャック・ハーベイ Meyer Shank |
11.0919 |
16 | 5 | ロマン・グロージャン Dale Coyne |
12.2761 |
17 | 3 | アレキサンダー・ロッシ Andretti |
16.5295 |
18 | 21 | マックス・チルトン Carlin |
24.8453 |
19 | 1 | コルトン・ハータ Andretti |
6 lap |
20 | 27 | コーディー・ウェアー Dale Coyne |
10 lap |
21 | 7 | シモン・パジェノー Team Penske |
12 lap |
22 | 23 | スコット・マクラフラン Team Penske |
13 lap |
23 | 19 | ダルトン・ケレット A.J. Foyt |
43 lap |
24 | 22 | リーナス・ヴィーケイ Ed Carpenter |
56 lap |
25 | 24 | 佐藤琢磨 RLL Racing |
61 lap |
26 | 25 | ジミー・ジョンソン Chip Ganassi |
62 lap |
27 | 16 | セバスチャン・ブルデー A.J. Foyt |
75 lap |
第11戦消化時点でのポイントランキング
第10戦出走者を対象に、レース結果を受けてのポイントランキングを以下にまとめる。
Pos. | Driver | Pts. | Total | Gap |
---|---|---|---|---|
1 | アレックス・パロウ Chip Ganassi |
26 | 410 | 0 |
2 | スコット・ディクソン Chip Ganassi |
40 | 368 | -42 |
3 | パトリシオ・オワード McLaren SP |
17 | 362 | -48 |
4 | ジョセフ・ニューガーデン Team Penske |
20 | 335 | -75 |
5 | マーカス・エリクソン Chip Ganassi |
51 | 331 | -79 |
6 | グレアム・レイホール RLL Racing |
30 | 286 | -124 |
7 | シモン・パジェノー Team Penske |
9 | 280 | -130 |
8 | コルトン・ハータ Andretti |
15 | 275 | -135 |
9 | リーナス・ヴィーケイ Ed Carpenter |
6 | 263 | -147 |
10 | 佐藤琢磨 RLL Racing |
5 | 231 | -179 |
11 | ウィル・パワー Team Penske |
16 | 225 | -185 |
12 | アレキサンダー・ロッシ Andretti |
13 | 214 | -196 |
13 | スコット・マクラフラン Team Penske |
8 | 206 | -204 |
14 | ジャック・ハーベイ Meyer Shank |
15 | 185 | -225 |
15 | ライアン・ハンター=レイ Andretti |
32 | 177 | -233 |
16 | ロマン・グロージャン Dale Coyne |
15 | 166 | -244 |
17 | ジェームズ・ヒンチクリフ Andretti |
35 | 166 | -244 |
18 | セバスチャン・ブルデー A.J. Foyt |
5 | 160 | -250 |
19 | コナー・デイリー Ed Carpenter |
18 | 160 | -250 |
20 | エド・ジョーンズ Dale Coyne |
28 | 153 | -257 |
21 | サンティノ・フェルッチ RLL Racing |
19 | 146 | -264 |
22 | エリオ・カストロネベス Meyer Shank |
22 | 125 | -285 |
23 | フェリックス・ローゼンクビスト McLaren SP |
24 | 118 | -292 |
24 | ダルトン・ケレット A.J. Foyt |
7 | 102 | -308 |
26 | マックス・チルトン Carlin |
12 | 89 | -321 |
28 | ジミー・ジョンソン Chip Ganassi |
5 | 61 | -349 |