ホンダ新型ジェット機「HondaJet Elite S」を発表…航続距離延長、先進機能を導入
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アルファタウリ・ホンダ仕様のクールなデザインが話題を呼んだホンダの小型ビジネスジェット機「HondaJet Elite」が、航続距離を拡大させ、先進機能を導入するなど、大幅にアップグレードされた。
航空機事業を手掛けるホンダ傘下のホンダ・エアクラフト・カンパニー(HACI)は5月26日、最大7人乗りの小型ビジネスジェット機の最新型「HondaJet Elite S」を発表した。
「HondaJet」は現在、北米、欧州、中南米、東南アジア、中国、中東、インド、および日本で販売されており、170機以上が世界中で運用されている。昨年は31機をデリバリーし、小型ジェット機カテゴリーにおいて4年連続で世界第1位を達成した。
高度な解析と各種試験を経て改良が施された最新型のHondaJet Elite Sは、機体の最大離陸重量を200ポンド(約91kg)増加させる事で、従来より多くの荷物を搭載する事が可能となった他、燃料搭載量の増加により航続距離を最大120ノーティカルマイル(約222km)拡大。運用性能が引き上げられた。
航空電子機器まわりにもアップグレードが施された。
出発管制承認に関わる通信を従来の音声ではなくテキストメッセージで行う「FAA Data Comm」や、出発地・目的地、天候、搭載燃料などの情報を地上との間で自動的に送受信する通信システム「ACARS」を新たに搭載する事で、パイロットの負荷を軽減させると共に機体運用の安全性を向上させた。
カラーバリエーションには、ガンメタル、ラックスゴールド、ディープシーブルーの新色が追加され、スペシャルコンセプトデザインを採用したElite S初号機が合わせて公開された。
レッドブル・レーシングとアルファタウリが搭載するホンダF1パワーユニットのMGU-Hには航空機部門の知見が活かされている。ホンダの以前のMGU-Hは度々深刻な故障に見舞われていたが、2019年にベアリング位置等に関する改良が加えられて以降は一貫して高い信頼性を発揮している。