ハイテックGP、ユーリ・ビップスの参戦継続決定もF2が批判
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人種差別用語を口にした事でユーリ・ビップスはレッドブルのF1テスト兼リザーブドライバーとしての契約を解除される事となったが、FIA-F2選手権の所属先チーム、ハイテックGPは残りのシーズンでの続投を決定した。これに対しF2が批判の声を上げた。
ハイテックのチーム代表を務めるオリバー・オークスはシルバーストンでのレースを週末に控えた6月29日(水)、謝罪は言葉だけでなく行動で示すべきであり、償いの機会が与えられない世界は健全とは言えない等として、ビップスに「名誉挽回の機会」を与えると発表した。
「ユーリに関して、真剣な議論を経て私は、残りのシーズンでのハイテックのF2契約を継続する決定を下した」とオークスは語った。
「ハイテックでシーズンを終える事を許可したのは、彼に自身がどのような人間であるかを自らの行動を以て証明するための機会を与える事でもある」
「私は、使用された言葉が全く容認できないものであることを明確にする一方、彼に名誉挽回の機会を与えることを選んだ」
「ハイテックGPには様々な背景を持つ従業員達がおり、如何なる形であれ、人種差別や攻撃的な行動を容認したことはない。だが、もしも我々が、何人たりとも間違いを犯す事ができない社会に住んでいるとしたら、謝罪して償う機会を得て、そこから学ぶことができない社会に生きているとしたらどうだろうか?」
「彼がなぜあんなことを言ったのか私には分からない。どうして、あの時間帯に(ゲーム、コール・オブ・デューティ)をプレイしてストリーミングしていたのかも分からない。彼のキャリアにとってやるべき遥かに有益なことがあったはずだ」
「私が知っているのは結果として、彼がレッドブルから契約を打ち切られたという事で、それは彼にとって破滅的な経験であり、当然の厳しい罰であるという事だ。現実的には、その罰が十分であるかどうかについては満場一致の同意は得られないだろうし、それは完全に理解できることだ」
「私は謝罪や言葉だけでは被害を修復することはできないと考えている。ハイテックでのレース活動を継続させることで我々は、ユーリに真摯な反省を示す機会を与えたのだ」
「彼は今、そのためのチャンスを活かさなければならない。美徳の象徴のようなその場しのぎのコメントではなく、永続的な変化を起こす事が必要なのだ」
「誰もがこれに満足するわけではないだろうが、私は、人は誰でも人生において2度目のチャンスを与えられるべだと信じている。ただ、3度目のチャンスはない。ユーリの自尊心、評判、キャリアは、いまや彼の手に委ねられた」
オークスは最後に、一件についてこれ以上コメントをする意向がないと付け加えた。その直後、F2は即座に声明を出し、ハイテックに対して別の対処を取るよう求めた上で、状況を注視していく考えを明らかにした。
「ユーリ・ビップスが関与した最近の事件を受け我々F2はここに、人種差別や差別的な言葉の使用は如何なる状況下においても容認できないことを再確認したい」
「ハイテックグランプリの今日の決断は驚くべきものであり、我々が取るべきものではない。こうした行為に対して適切に対処出来るよう、我々は彼らと共に状況を注意深く見守っていく」