フェラーリ、セバスチャン・ベッテルを”暫定”No.1ドライバーに指名
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スクーデリア・フェラーリは2019シーズンのF1世界選手権において、二人のドライバーを公平に扱うことなく、シャルル・ルクレールよりもセバスチャン・ベッテルを優遇する方針を明らかにした。ただしそれはフレキシブルであり、ベッテルはあくまでも”暫定”No.1ドライバーだという。
「ある特定の状況が発生した場合、我々はセバスチャンの方を優先する。特にシーズン序盤ではね。普通の事さ」マウリツィオ・アリバベーネに代わり新しくチーム代表に就任したマッティア・ビノットは、15日に行われた「SF90」の新車発表会でこのように述べた。
「セバスチャンは我々フェラーリにとってチャンピオンシップの導き役なのだ。ただし”それに固執するつもりは毛頭ない”。再優先事項はフェラーリが勝つことだからだ」
イタリアのチームは昨年、チームオーダーの発動を躊躇うなど疑問符のつくストラテジーによって、幾度となく重要な局面で失策を演じた。象徴的だったのはドイツGP。ベッテルに道を譲るのか譲らないのかハッキリとしない無線に対して、キミ・ライコネンが声を荒げるシーンもあった。その一方で冷徹かつ冷静なドイツチームは、ここぞという場面で迷わずチームオーダーを発動。5連覇を達成した。
この教訓を踏まえての事だろうか。予算を増強し2008年以来のタイトル獲得に燃えるマラネッロは、状況如何によっては開幕オーストラリアGPから順位の入れ替えを指示する事も辞さない構えをみせている。
F1ワールドチャンピオン経験者のジェンソン・バトンとニコ・ロズベルグが指摘するように、次世代のチャンピオンシップ候補に数えられるルクレールが加入した事で、ベッテルはキャリアの大きな節目を迎える可能性がある。だがビノット代表は、”初めのうちは”ルクレールとて学ぶべきことがあると語る。
「セバスチャンが自身の能力を証明する必要はないが、シャルルに関しては彼自身が述べている通り、これから様々な事を学ぶ必要がある。もちろん彼がどれほどの才能を備えているかは承知の通りだがね」