フェルナンド・アロンソ、ルノーからF1復帰「持てる全ての経験をチームに惜しみなく提供する」

2006年F1ブラジルGPで表彰台に上がるルノーのフェルナンド・アロンソとフェリペ・マッサCourtesy Of Ferrari S.p.A.

フェルナンド・アロンソが2021年シーズンのF1世界選手権にルノーから参戦する事が正式に決定した。ルノーDPワールドF1チームは第2戦F1シュタイアーマルクGPの初日を2日後に控えた2020年7月8日(水)、スペイン出身の2度のF1ワールドチャンピオンとの契約を発表した。契約は2021年と2022年シーズンの2年。

マクラーレン・ルノーに在籍していた2018年末を最後にF1を去ったアロンソにとっては3年ぶりのF1復帰となる。今月末に39歳の誕生日を迎えるアロンソは、マクラーレンへと移籍するダニエル・リカルドの後任として、2021年シーズンのエステバン・オコンのチームメイトを務める。

アロンソはF1通算32勝、ポールポジション22回を記録し、出走した311回のレースで1,899ポイントを獲得。ルノー在籍時の2005年と2006年にはスペイン人ドライバーとして初めて、また当時のF1史上最年少記録(24歳58日)で世界選手権を制覇した。

F1のチェイス・ケアリーCEOは「フェルナンド・アロンソのF1カムバックは素晴らしいニュース。グリッドに戻ってくるのが待ちきれない」との声明を発表した。


© Mclaren / 引退レースを終えた直後のアロンソ、F1アブダビGP 2018年11月25日

出し惜しみはしない、とアロンソ

「ルノーは僕の家族であり、2度の世界選手権タイトルを獲得したF1での一番の思い出だ」とアロンソ。意気込みを語った。

「キャリア初期の僕にチャンスを与えてくれたチームに戻ってこれた事、そして最高レベルにチャンスを与えてくれたことに大きな誇りと感慨を持っている。僕はチームのプロジェクトに沿った理念と野心を持ち合わせている」

「今冬の彼らの進歩は、彼らが2022年シーズンに掲げている目標に信憑性を与えてくれた。エンジニアからメカニック、チームメイトに至るまで、僕は自身が持つ全ての経験を共有するつもりだ。チームは表彰台に戻れるだけのものを備え、そして望んでいるし、そのための手段も持っている。そしてそれは僕も同じだ」


© RENAULT SPORT

アロンソとの契約は必然、とルノー

ルノーのマネージングディレクターを務めるシリル・アビテブールは「フェルナンド・アロンソとの契約は、F1へのコミットメントを継続してトップに返り咲くためのグループ・ルノーの計画の一環だ。彼という存在は、彼が愛着を持つブランド(ルノー)にとってだけでなく、このスポーツ全体にとって素晴らしい資産だ」と述べ、次のように続けた。

「チーム、フェルナンド、そしてファン。この3者の間の絆の強さを考えれば、彼を選ぶのは自然なことだった」

「彼の経験と決断力は、お互いの長所を最大限に引き出すだけでなく、このチームを現代F1に求められている卓越性へと導いてくれるはずだ。そしてまた、急成長を遂げているこのチームに、共にハードルを乗り越えていくための競争と勝利の文化をもたらしてくれるだろう」

「彼の使命は、エステバンとともにルノーDPワールドF1チームが2022年シーズンに向けて最高のコンディションを整えられるようサポートする事にある」

2シーズンぶりのF1復帰までの流れ

F1史上最も偉大なF1ドライバーの一人とみなされながらも、ミハエル・シューマッハ(7冠)やルイス・ハミルトン(6冠)の記録には届かず苦しい2010年代を過ごしたアロンソ。勝ち星を積み重ねる事を諦めると、グラハム・ヒル以来史上2人目となる世界三大レースウィナーを目標に掲げた。

まずは手始めに2017年にインディ500に初参戦するも、エンジンブローによるリタイヤに終わった。2018年にはF1と並行してTOYOTA GAZOO RacingからFIA世界耐久選手権(WEC)の2018-2019シーズンに参戦し、2度のル・マン24時間レースを制して中嶋一貴、セバスチャン・ブエミと共にLMP1ドライバーチャンピオンを獲得した。


© TOYOTA MOTOR CORPORATION

2019年にはトヨタの協力を得てラリーレイドに初挑戦。コ・ドライバーにマルク・コマを迎え、南アフリカ・クロスカントリーシリーズ第5戦リヒテンバーグ400などでの経験を経て、ダカールラリー2020への参戦を果たした。時折ルーキーらしからぬ好走を見せたが、序盤にサスペンションを破損し出足を挫かれ、ステージ10の砂丘では横転。総合13位に終わった。


© TOYOTA MOTOR CORPORATION

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