FIA-F2選手権とF3、コスト削減の一環として2021年よりレースフォーマットを大幅変更

2020年FIA-F2選手権ロシア レース2のスタート直後の様子Courtesy Of Formula Motorsport Limited

FIA-F2選手権とFIA-F3選手権は、新たなコスト削減策の一環としてレースフォーマットを大幅変更し、2021年シーズンより週末に計3レースを開催する事を決定した。

国際自動車連盟(FIA)のモータースポーツ・ヒエラルキーにおいて、F1直下に位置する両カテゴリは、これまで1つの週末に各々2レースを開催してきたが、両選手権は11月6日(金)に発表を行い、これを来シーズンより3レースとする事を明らかにした。

これにより各サプライヤー側との新たな契約が締結され、エンジンのリース料と一部のスペアパーツのコストが大幅削減されるほか、物流・運送関連の支出も低減される事になる。

またF2では、2021年より始まる次の3年サイクルにおいて現行マシンの使用を継続するほか、F3においても来季は2019年に導入された現行スペックを継続し、次の3年サイクルが始まる2022年以降も同じくこれを継続する見通しだ。これは世界モータースポーツ評議会(WMSC)の承認を以て正式決定される。

チームの変動費の一つは1シーズンあたりのイベント数に左右される。そのため効率的に経費を削減する一方で収益を維持すべく、レース数を増やす一方でイベント数を減らす。

フォーミュラ2のカレンダーは来季より、8イベント計24レースを計画する。これによりF2参戦チームは、ロジスティクスに関わるコストを3分の1に削減する事となる。またフォーミュラ3に関しては、7イベント計21レースを予定する。

両カテゴリはF1のサポートレースとして開催されているが、1つの週末あたりF2及びF3で計6レースを行う事は物理的に不可能であるため、FIAとフォーミュラ・ワン・マネジメント(FOM)は、来年以降のF1のグランプリ週末において、いずれかのカテゴリの3レースのみを行う事で合意した。つまり今後、F2とF3が同じ週末にレースを行う事はなくなる。

F2及びF3のブルーノ・ミッシェルCEOは、コスト削減の重要性について次のように説明した。

「2005年にGP2シリーズを立ち上げて以来、我々はコスト管理をコアバリューのひとつとしてきたが、今やその重要性は高まっており、これまで以上に戦略の中心に据える事が求められている」

「今回発表した各施策は、両選手権の運営方法だけでなく、カレンダーやレースウィークエンドのタイムテーブル、つまりスポーティング・レギュレーションにも影響を与えるものであり、非常に重要だ」

「現在両選手権に参戦しているチームは、追加費用を節約するために、両カテゴリー間で人員の一部を相互乗り入れする事も可能となる」

「今後の数年間における両チャンピオンシップの安定性を確保するためにも、これは可能な限り早く実施されなければならない」

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