F1サウジ「重大なミス」メルセデスに懲罰、”深刻な事故”に至った可能性を指摘…ハミルトンへの指示を巡り

ジェッダ市街地コースを周回するルイス・ハミルトン(メルセデス)、2024年3月7日F1サウジアラビアGP FP1Courtesy Of Mercedes-Benz Grand Prix Ltd.

F1サウジアラビアGPのスチュワードは2024年3月7日(木)のFP2を経て、「深刻な高速クラッシュ」に繋がりうる「重大なミス」を犯したとして、メルセデスに罰金15,000ユーロ(約243万円)を科す決定を下した。

週末2回目のプラクティスを経てスチュワードは、ローガン・サージェント(ウィリアムズ)に回避行動を強いたとしてハミルトンとメルセデスのチーム代表者を召喚した。

サージェントはフライング・ラップに取り組んでいた際、ターン11の中央を低速で走るハミルトンとの接触を避けなければならず、「危険過ぎる!」と無線で不満をあらわにした。

メルセデスの真後ろにいたカルロス・サインツ(フェラーリ)も「真ん中を走るなんてハミルトンは何をやってるんだか。めちゃくちゃ危ないんだけど」と報告を上げた。

ヴィタントニオ・リウッツィを含む4名の競技審判団はサージェントとハミルトンを含めた関係者からの聴取ならびに、各種データ、映像、チーム無線、オンボード映像を調査のうえ、ハミルトンがサージェントの走行を「不必要に妨害」した事は明らかで、F1競技規定第37条5項への違反があったと結論づけた。

チーム無線の調査結果を元にスチュワードは、計測ラップ中のサージェントが後方から接近している事をメルセデスがハミルトンに知らせていなかったのは「明白」であるとして、サージェントが回避行動を取らなかった場合、「深刻な高速クラッシュが発生しただろう」と指摘した。

ジェッダ市街地コースはカレンダーの中でモンツァに続いて最も平均速度が高く、その反面、ターン11を含めてコース上での視界は非常に悪く、ドライバーが後方を確認しながら走行する事が困難なサーキットだ。

スチュワードはこの点に触れて、今回のインシデントは無線による適切なコミュニケーションを怠った「チーム側の重大なミス」が原因であるとして、ハミルトンに対しては警告処分に留めた一方、メルセデスに15,000ユーロの罰金を科した。

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