F1、2019年ファステストラップポイント導入を正式決定…開幕オーストラリアGPから施行
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フォーミュラ1は3月12日、2019年の開幕オーストラリアGPよりファステストラップ・ポイントを導入する事を正式に発表した。レース中に最得タイムをマークしたドライバーに1ポイントが付与される。
これまでは決勝レース中に最速ラップタイムも記録しても、それは名声と栄誉にしかならなかったが、2019シーズン以降はドライバー及びコンストラクターズの両部門の追加ポイントとして正式に扱われるようになる。
対象は上位10台、対象外でもインセンティブあり
F1とFIA国際自動車連盟はファンへのアンケート調査結果を元に、この新しい仕組みを導入するか否かについて議論。先週8日のFIA世界モータースポーツ評議会(World Motor Sport Council)の承認に続いて、スポーティング・ワーキンググループとストラテジーグループが最終可決した。
ファステストラップポイントを獲得できるのは、チェッカーフラッグの際にトップ10フィニッシュしたドライバーのみ。11位以下あるいはリタイヤしたドライバーは対象とならないが、例えポイント対象外であったとしてもファステストラップを記録するインセンティブは残されている。
例えばメルセデスの両ドライバー及びセバスチャン・ベッテルがトップ10圏内を走行し、シャルル・ルクレールが15番を走っている場合、フェラーリはルクレールに追加のピットストップを指示してファステストを取ることで、シルバーアローにボーナスポイントが渡る事を妨害する事が出来る。
最速ボーナスはレースを変える?
F1では、世界選手権発足初年度の1950年から1959年にかけて、最速ラップタイムを記録したドライバーに選手権ポイントが付与されていた。この規約が採用されていた1958年には、フェラーリのマイク・ホーソーンがロブ・ウォーカーのスターリング・モスを1ポイント差で破りタイトルを獲得。ファステストラップが選手権の明暗を分けた。
仮にこのルールが適用されていた場合、2008年にF1ワールドチャンピオンに輝いたのはルイス・ハミルトンではなくフェリペ・マッサであった。ハミルトンがファステストラップを記録したのは第17戦中国GPのみであった一方、マッサはヨーロッパ、日本、ブラジルの3回で最速をマークしており、両者のポイントは逆転する。
2019シーズンは全21戦で構成されているため、最大で21ポイントを追加する事が可能となる。昨年のDHLファステストラップ・アワードに輝いたバルテリ・ボッタスは、シーズンを通して7度のファステストを記録。これは7位入賞を1回、10位を1回獲得したポイント分に相当する。
F1のモータースポーツ担当マネージング・ディレクターを務めるロス・ブラウンは「我々はFIAと共に、このスポーツの整合性を維持しつつもショーを改善できるソリューションを模索してきた。その結果、60年という時を経てファステストラップポイントを再び導入する事を決定した。これは世界中の何千というファンへのリサーチから導き出されたアイデアであり、我々は数ヶ月に渡って検討を続けてきた」と述べた。