馬鹿げてる、感心しない…アロンソへの懲罰を巡り鈴鹿で意見分かれるF1ドライバー

鈴鹿サーキットで行われた木曜会見に出席するカルロス・サインツ(スペイン、フェラーリ)、角田裕毅(RBフォーミュラ1)、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)、アレックス・アルボン(ウィリアムズ)、ジョージ・ラッセル(メルセデス)、ピエール・ガスリー(アルピーヌ)、2024年4月4日(木) F1日本GPCourtesy Of Red Bull Content Pool

「潜在的に危険」な走りをしたとして、F1第3戦オーストラリアGPでフェルナンド・アロンソ(アストンマーチン)に科されたペナルティーを巡り、F1ドライバー達の意見は二つに割れた。

アルバート・パークで行われたレースの最終盤、接触があったわけではないものの、6位争いを繰り広げていたジョージ・ラッセル(メルセデス)がアロンソを追撃する最中のターン6でクラッシュを喫した。

テレメトリデータからは、アロンソがターン6に向けて以前より「100メートル以上」早いタイミングでアクセルを戻したり、通常はブレーキをかけない地点で「ごく僅か」にブレーキをかけたり、それまでに一度もやった事のない地点でダウンシフトしたりするなど、不規則な走りをしていた事が判明した。

スチュワードはアロンソの走りを問題視して、20秒のタイム加算となるドライブスルー・ペナルティーを科す決定を下した。これによりアロンソは6位から8位に降格し、代わって僚友ランス・ストロールが6位、角田裕毅(RBフォーミュラ1)が7位に昇格した。

アロンソとアストンマーチンはこの決定に驚きと失望を示したが、控訴することも意義を申し立てることもしなかった。

一件から2週間。F1日本GPの開幕を翌日に控えた鈴鹿サーキットのパドックでは、このペナルティの是非についてドライバーたちが意見を交わした。

アロンソ擁護派

全員の意見を把握できているわけではないが、擁護派の方が多い印象だ。

ペナルティについてバルテリ・ボッタス(ザウバー)は「少し厳しい」と評し、アロンソのチームメイトであるストロールは、クルマの接触がなかったことを踏まえると処分が科されるのは「馬鹿馬鹿しい」と一蹴。「不必要なスロー走行と、戦術的なドライビングの線引きはどこにあるのか」と問題を提起した。

「DRSを得ようとしたり、DRSを避けようとしたりするためにペースを落とす例は過去にもあったと思うけど、ペナルティが科される事はなかった」

昨年のシンガポールGPでは、カルロス・サインツ(フェラーリ)が意図的に減速し、ランド・ノリス(マクラーレン)にDRSを与える事で後方のメルセデス勢を交わしてトップチェッカーを受けた。ディフェンシブな走りは単に全力でプッシュするだけではない。

Courtesy Of Aston Martin Lagonda Limited

鈴鹿サーキットのパドックでメディアと話すフェルナンド・アロンソ(アストンマーチン)、2024年4月4日(木) F1日本GP

ノリスはストロールとは異なる視点を以て、アロンソはペナルティに値しないという見解を示した。

ノリスは、アロンソが見せたようなドライビングは「奇妙」で「極端」だとしながらも、「ブレーキテストとみなされるようなものではない」とし、先行するクルマの動きに反応する責任は後方のドライバーにあると強調した。

「もしジョージがもっと接近していて、ストレートの真ん中で突然フェルナンドがアクセルを緩めて、ジョージが急にステアリングを切ったりしなければならなかったのだとしたら、もう少し疑問が残るだろうね」とノリスは語った。

「ジョージは何もする必要はなかったけど、あと5メートル早くブレーキを踏んでいれば違った結果になっていたと思う。それもジョージの責任だ。ドライバーである以上は周囲のあらゆる状況に反応しなきゃならない」

「アグレッシブなものではなかったと思うし、(ラッセルの)クルマの1メートル先で止まっていたわけでもない。 100メートル先で速度を落とした結果、ジョージが接近する事になったんだ。ペナルティには程遠い」

グリッド最年長のアロンソはこれまで、相手の裏をかくようなクレバーなドライビングで評判を高めてきた。ノリスはこれを「フェルナンドはフェルナンドだ」と表現し、ダニエル・リカルド(RBフォーミュラ1)も「それがフェルナンドだ。彼は狡猾なんだ。何も問題ない」と同意した。

ノリスのチームメイトであるオスカー・ピアストリは一件を「ダーティーエアを発生させたという理由でペナルティが科された」ケースであると表現し、アロンソに非があるとするスチュワードの判断に「少し驚いた」と語った。

ペナルティ支持派

Courtesy Of Haas

鈴鹿サーキットでメディア対応するニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)、2024年4月4日(木) F1日本GP

一方でニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)は「あまり感心しない」と述べ、アロンソのドライビングに批判的な立場を取った。

ヒュルケンベルグはアロンソが取った「戦術」そのものに関してはF1で「かなり一般的なもの」であると認めつつも、アルバート・パークのターン6でそのアプローチを取った事が問題との考えを示した。

「メルボルンはストリートサーキットに分類されるコースで、かなり狭いんだ。あのコーナーに向けては時速260〜270kmでアプローチするわけだけど、あそこは出口が見えない」

「何らかの理由でフラッグが振られるのが遅れた場合、僕らの中の誰かがジョージに正面衝突していたことだろうね」

copyright Formula1 Data

アルバート・パーク・サーキット(F1オーストラリアGP)のコースレイアウト図

アロンソの後輩で、メルボルンのレースウィナーであるサインツは一件とは無関係に、ターン6の見直しが必要だと訴えた。

「これは前回のドライバーズ・ブリーフィングでも言ったことなんだけど、接触によってクルマが時速250キロのブラインドコーナーのコース側に弾き返されるのは今に始まったことじゃない」

「他のカテゴリーを含めてこのコーナーでは数回に渡って事故があった。あまり良いものじゃない」

シャルル・ルクレール(フェラーリ)は、アロンソの行為は「やり過ぎ」だったとして、ペナルティは当然との見解を示すと共に、アロンソが落としたポジションが2つに過ぎなかった事に触れて、タイムペナルティよりポジションペナルティの方が「公平」だと主張した。

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