F1イギリスGPに赤信号、英国政府の新たな対策を受け…カレンダー全体への影響も
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オーストリアGPに続くシルバーストンでのF1イギリスGPの開催計画に赤信号が灯った。英国のプリティ・パテル内務大臣は5月22日(金)、空路での入国者全員を対象に14日間の自己隔離を義務付けることを明らかにすると共に、F1側からの検疫免除要求をひとまず保留とした。これは6月8日より実施される。
検疫免除リストには、運送・貨物輸送に関わる労働者や新型コロナウイルスとの闘いの最前線にいる医療関係者のほか、必要不可欠あるいは緊急性の高い作業に従事する従業員などが記されているが、4輪最高峰と称されるF1の関係者はこれに含まれておらず、当初検討されていたF1イギリスGPの7月開催は事実上、かなり厳しい状況に追い込まれた格好だ。
F1側は検疫免除の必要性を訴えており、依然として政府側との交渉を継続していくとしているが、2週間にも及ぶ隔離措置はイギリスGPのみならず、F1の今季カレンダーそのものや、サプライチェーンに非常に深刻な影響を及ぼす可能性がある。全10チームの内7チームはイギリスに本拠を構えており、グランプリの度に海外への出国を強いられる。
このような状況にも関わらず、現地プロモーターは楽観的な姿勢を崩さない。シルバーストン・サーキットのマネージングディレクターを務めるスチュアート・プリングルは「安全を最優先事項として解決策を見つけるべく、議論は現在も進行中だが、この業界の重要性を政府が理解していることは極めて明らかで、私は楽観視している」と語った。
検疫計画は3週間ごとに見直されるため、7月下旬に予定されているF1イギリスGPでは検疫そのものが行われない可能性もあるものの、F1は万が一に備えてのバックアッププランの検討を進めており、イギリスGPが開催できない場合を想定して、ホッケンハイムかハンガロリンクでの開催について話を進めているものと見られている。