カルロス・サインツ、ローブを破り「WRC史上最強ドライバー」の称号

JCW X-Raid Mini Teamのカルロス・サインツSr.、2020年ダカール・ラリーCourtesy Of Red Bull Content Pool

マクラーレンF1のカルロス・サインツJr.の父、カルロス・サインツSr.が、WRC主催のファンとジャーナリストによる投票コンテストでWRC史上最強ドライバー(The Greatest WRC Driver)に選出された。

このコンテストはピレリのサポートを得てWRCプロモーターが主催したもので、世界のラリーファンを中心に計30万票以上を集めた。スペイン出身のダブルワールドチャンピオンであるサインツは決勝で57.28%の票を獲得し、セバスチャン・ローブを接戦で打ち破った。


© Getty Images / Red Bull Content Pool、セバスチャン・ローブと握手を交わすカルロス・サインツSr.

エル・マタドール(闘牛士)の愛称で知られるカルロス・サインツSr.は、1990年と1992年にトヨタ・セリカGT-Fourでドライバーズタイトルを獲得し、キャリア通算196戦の内26戦で勝利を挙げた。出走したレースのほぼ半分で表彰台に上がり、WRC史上最も安定性のあるドライバーの一人として評価され、チャンピオンシップ3位以上を11度も記録している。

「これ以上の幸せと名誉はないね」とサインツは語った。

「ファイナルに導き優勝させてくれて本当にありがとう。しかもセバスチャン・ローブを相手にだ。ローブの素晴らしさと偉大さをここで述べる必要はないだろう。彼だけでなく全てのWRCチャンピオンが最高のドライバーだが、コンテストでは誰かが勝たなきゃならない仕組みだ。今回はそれが僕だったって事だ」

WRCは1979年にドライバーズタイトルが導入され、以降18人のチャンピオンが誕生し、その全てが本コンテストに参加した。コンテストはトーナメント形式のノックアウト戦で、ファンと専門家による投票が連日行われ、各々のペアの中から得票数の高かったドライバーが次のステージに進んだ。

第6シードのサインツは1回戦でハヌ・ミッコラを破り、次のステージでは現在TOYOTA GAZOO Racing WRTの代表を務めるトミ・マキネンを下し、準決勝では6連覇の偉業を持つセバスチャン・オジェを破った。

9度のワールドチャンピオンでトップシードだったローブは、リチャード・バーンズとウォルター・ロールに打ち勝ち、準決勝ではフライングフィンと呼ばれた4度の世界王者ユハ・カンクネンを破って決勝に駒を進めた。

ジャーナリストパネルには、ジュリアン・ポーター(WRC解説者)、マルコ・ジョルド(伊Autosprint magazine)、ライナー・クーン(独Motorsport aktuell)、デビッド・エヴァンス(米DirtFish)、ロイック・ロッシ(仏AUTOhebdo)、そしてホセ=マヌエル・ゴンサレス(WRCライブ解説者)の6名が並んだ。

決勝ではジャーナリストの票がきれいに割れたため、サインツとローブへの最終的な判断はファンに委ねられた。

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