Published: Updated:
F1シンガポールGPの決勝レース中に、ドリンクボトルの故障に見舞われたメルセデスのバルテリ・ボッタスは、脱水状態に陥り視力に影響が出ていた事を明らかにした。
高温多湿の熱帯環境で行われるマリーナベイでのレースがドライバーの肉体に与える疲労はシーズン最大と言われる。ナイトレースにも関わらずコックピット内の気温は60℃を越え、2時間のレースを終えたドライバーの体重は3kg程度減少することが知られている。レッドブルのダニエル・リカルドによれば、レース後に5リットルの水を軽く飲み干す程だという。
雨の影響により2時間レースとなった2017年のシンガポールGPで、ボッタスはルイス・ハミルトンとダニエル・リカルドに続き3位表彰台に登った。だが、命綱とも言うべきドリンクボトルが故障し、2時間もの間全く水分補給ができなかったという。レース中にも水分が取れるように、コックピットにはドリンクボトル備えられている。
英Channel 4のインタビューに応じたボッタスは、ドリンクボトルのトラブルによって視界に影響が出ていた事を説明した。「レース終盤に向かって、視界が不鮮明な感じになったんだ。でも人間は諦めない限り驚くような成果を挙げられるものさ」
レース中にドリンクボトルが故障することは珍しい事ではない。今年インディ500を制した佐藤琢磨は、2013年のシーズン序盤に同様の問題を抱えていた。また、ルノーに在籍していたケビン・マグヌッセンも2016年にドリンクボトルの故障に見舞われた。
レースを終えたボッタスは戦いを振り返って「チームとしては完璧なレース」とコメント、残された6戦でも何が起こるかわからないと語った。
「ドライでの走行は、予想してた以上にパフォーマンスが良くて、ルイスも僕もかなり良いペースだったよ。ウェットではルイスより少し苦戦しちゃったんだけど。僕にとっては難しい週末になったけど、トロフィーを持ち帰れてうれしいよ。全体としてみれば、チームにとっては完璧に近いレースになったんじゃないかな。まだ6レースが残ってるし、どんなことがあってもおかしくないよ」