計5台がリタイヤの大波乱…跳ね馬ベッテルが逆転優勝!ホンダ勢は殊勲9位入賞 / F1ベルギーGP《決勝》結果とダイジェスト
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2018シーズンF1世界選手権 第13戦ベルギーGP決勝レースが8月26日に行われ、予選2番手のスクーデリア・フェラーリ、セバスチャン・ベッテルが後続を11秒引き離し、スパ3勝目を挙げた。2位はメルセデスAMGのルイス・ハミルトン。3位表彰台にはレッドブル・レーシングのマックス・フェルスタッペンが滑り込んだ。
前日25日(土)に開催された予選はQ3で豪雨。ハミルトンが”スパウェザー”を味方につけ、1分58秒179を記録しポールポジションを獲得。2番手フロントローには0.726秒差でベッテルが並んだ。
2番グリッドからスタートしたベッテルは先頭のハミルトンに遅れを取ること無くターン1を通過。オー・ルージュを駆け上がった先のケメルストレートでハミルトンをロックオン。ブレーキングでハミルトンを交わしトップに躍り出た。その後のベッテルは一人旅。フェラーリに9年ぶりのスパでの勝利をプレゼント。キャリア通算52勝目、今季5勝目を手にした。
高いパワーユニット性能が要求されるスパ・フランコルシャン。トロロッソ・ホンダ勢は苦戦との事前予想を覆し、10番グリッドからスタートしたピエール・ガスリーがトップと同一周回での9位入賞を果たした。11番グリッドのブレンドン・ハートレーは14位に終わった。
規約で定められたサマーシャットダウン期間を経て前戦ハンガリーから早1ヶ月。舞台は、カレンダー最長のパワーサーキット、スパ・フランコルシャン。決勝は、日本時間8月26日(日)22時10分にブラックアウトを迎え、1周7004mのコースを44周する事で争われた。日曜の現地は晴れに恵まれ、チャンピオンシップポイントを争う決勝のフォーメーションラップは気温17℃、路面29℃のドライコンディションで開始された。
伊タイヤメーカーのピレリは、今年のF1ベルギーGPにスーパーソフト(赤)、ソフト(黄)、ミディアム(白)の3種類のコンパウンドを持ち込んだ。レースでは最低2種類のコンパウンドを使用する義務があり、多くのチームはソフトタイヤを第二スティントに投入。1ストップ戦略が主流となった。
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決勝は計5台がリタイヤする波乱のレースとなった。注目のオープニングラップで計4台が絡む連鎖的クラッシュが発生。スタート直後のターン1で、ブレーキングが遅れたニコ・ヒュルケンベルグがフェルナンド・アロンソのリアに激突。アロンソのマシンは宙を舞い、前方のシャルル・ルクレールのマシンを巻き込み、これがダニエル・リカルドのリアを強打。押されたリカルドの左フロントがキミ・ライコネンの右リアタイヤとリアウイング・エンドプレートを破壊。タイヤはパンクした。
アロンソのマシンは大破、サイドポッド周りのボディーワークは全て剥がれ落ち、ラジエーターから蒸気を撒き散らしながらターン1に横たわった。コース上には黄旗。ストップしたマシンと飛散したデブリの回収のためにセーフティーカーが出動した。幸いにも怪我人は出なかった。
アロンソとヒュルケンベルグ、ルクレールはその場でリタイヤ。ライコネンとリカルドはなんとか1周を走りきりピットイン。リカルドは1周遅れ、ライコネンは同一周回でコースに復帰したが、フェラーリはライコネンのリアのダメージを見落とし8周目に再度ピットイン。再びコースインするも、ダメージはサスペンションにまで及んでいたようで9周目にリタイヤ。結局リカルドも28周目にマシンを降りた。
4位フィニッシュを果たしたのはメルセデスのバルテリ・ボッタス。パワーユニット一式を交換し最後尾からレースをスタート。有り余るメルセデスW09のポテンシャルを最大限に引き出しオーバーテイクショーを披露した。5・6番手には新生レーシングポイント・フォースインディアの2台。セルジオ・ペレスが5位、エステバン・オコンが6位でチェッカーを受け、チーム解体の危機を乗り越えたチーム全員の努力に応えた。
予選までの全てのセッションで最下位に沈み、最悪の母国レースを過ごしてきたマクラーレンのストフェル・バンドーンは15位。結局5セッションの全てでタイムシート最下部に留まる事となった。
2018年F1第13戦ベルギーGP決勝リザルト
Pos | No | Driver | Team | Laps | Time | Pts |
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1 | 5 | ベッテル | フェラーリ | 44 | 1:23:34.476 | 25 |
2 | 44 | ハミルトン | メルセデス | 44 | +11.061 | 18 |
3 | 33 | フェルスタッペン | レッドブル | 44 | +31.372 | 15 |
4 | 77 | ボッタス | メルセデス | 44 | +68.605 | 12 |
5 | 11 | ペレス | フォースインディア | 44 | +71.023 | 10 |
6 | 31 | オコン | フォースインディア | 44 | +79.520 | 8 |
7 | 8 | グロージャン | ハース | 44 | +85.953 | 6 |
8 | 20 | マグヌッセン | ハース | 44 | +87.639 | 4 |
9 | 10 | ガスリー | トロロッソ | 44 | +105.892 | 2 |
10 | 9 | エリクソン | ザウバー | 43 | +1 lap | 1 |
11 | 55 | サインツ | ルノー | 43 | +1 lap | 0 |
12 | 35 | シロトキン | ウィリアムズ | 43 | +1 lap | 0 |
13 | 18 | ストロール | ウィリアムズ | 43 | +1 lap | 0 |
14 | 28 | ハートレー | トロロッソ | 43 | +1 lap | 0 |
15 | 2 | バンドーン | マクラーレン | 43 | +1 lap | 0 |
NC | 3 | リカルド | レッドブル | 28 | DNF | 0 |
NC | 7 | ライコネン | フェラーリ | 8 | DNF | 0 |
NC | 16 | ルクレール | ザウバー | 0 | DNF | 0 |
NC | 14 | アロンソ | マクラーレン | 0 | DNF | 0 |
NC | 27 | ヒュルケンベルグ | ルノー | 0 | DNF | 0 |
コンディション
天気 | 晴れ |
---|---|
気温 | 17℃ |
路面温度 | 29℃ |
セッション概要
グランプリ名 | F1ベルギーGP |
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レース種別 | 決勝 |
レース開始日時 |
サーキット
名称 | スパ・フランコルシャン |
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設立 | 1921年 |
全長 | 7004m |
コーナー数 | 19 |
周回方向 | 時計回り |