ホンダF1、エンジン全開率75%のスパへ「回生エネルギーの使い方が鍵」

ホンダF1の田辺豊治テクニカルディレクター、2018年F1オーストリアGPcopyright Honda

ホンダF1の現場統括責任者を務める田辺豊治テクニカル・ディレクターが、2018年FIA F1世界選手権第13戦ベルギーGPに先立って抱負と意気込みを語った。

舞台となるスパ・フランコルシャンは、1周7,004mもの長さを誇りエンジン全開率は75%にも達するカレンダー屈指のパワーサーキット。オー・ルージュをはじめとした複数のアップダウンがあり、攻略にはドライバーの精神的な強さとエンジンパワー、そして適切なエネルギーマネジメントが必要とされる。

1レースあたりの使用可能燃料量が制限されているため、ハイブリッド・ターボ時代のF1では燃費の良さが必要不可欠。コース上でのパフォーマンスを向上させるためには、ハイブリッドシステムの性能も去ることながらどこでエネルギーを回生し、どこでそれを放出するかの管理面が重要となる。

ホンダではレースに先立って、ミルトンキーンズとHRD Sakuraでサーキットシミュレーションを実施し、コースレイアウトの特性に合わせてセッティング等を事前にテスト。これによってパワーサーキットのパフォーマンスを最大化するよう努めている。

回生エネルギーの使い方が鍵

田辺 豊治ホンダF1現場責任者

今週末のレースの舞台となるスパ・フランコルシャンは、オー・ルージュなどに代表される高速セクションのためにドライバーズサーキットとしてよく知られていますが、同時にパワーユニットの出力が重要になるサーキットです。ここは年間カレンダーの中で1周の距離が最長のトラックでもあるので、回生エネルギーの使用と回収のバランスが鍵になります。

そのため、エンジニアは予選パフォーマンスとレースでのオーバーテイクの両方を考慮しながら、エネルギーマネジメントの最適化を行います。この部分に関しては前半戦の戦い、特にアゼルバイジャンでのレースなどを通して多くのことを学んできましたし、その経験を今週末も活かせると考えています。

当然、チームの戦略にも関わるため、ドライバーも含めて十分にコミュニケーションを取った上で戦略を構築していきます。予報を見ると今週末の天気は不安定なようですので、その点についても十分に準備した上で週末に臨みます。


昨年のグランプリでは、メルセデスAMGのルイス・ハミルトンが優勝。予選でミハエル・シューマッハと並ぶ歴代最多ポールを獲得したハミルトンはセバスチャン・ベッテルに2.358秒の差をつけてトップチェッカーを受けた。3位表彰台にはレッドブル・レーシングのダニエル・リカルドが滑り込んだ。

F1ベルギーグランプリは日本時間2018年8月24日(金)18時から始まるフリー走行1で幕を開ける。

F1ベルギーGP特集

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