F1アゼルバイジャンGP 最高速度:予選1-2のメルセデスは下位、ルノー搭載のマクラーレンがトップ
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2019年シーズンのFIA F1世界選手権第4戦アゼルバイジャンGP予選のドライバー及びチーム別スピードトラップを集計した。一発のタイムを競い合う予選セッションで最速を刻んだのは、意外(?)にも予選9番手のカルロス・サインツ(マクラーレン)だ。
スピードトラップ
バクー市街地コースのスピードトラップは、フィニッシュライン手前に位置するターン20から210m奥の地点で計測される。トップスピードはエンジン馬力やスリップストリームの有無の他、計測地点前のコーナーの種類やトラクション性能、ダウンフォースレベルや車体の空気抵抗といった様々な要素で上下する。
まずはチーム別に最高速度を見てみる。ルノー製パワーユニットを搭載するマクラーレンが323.9kmでトップ。2番手は直線番長レーシングポイントで321.8km/h、フェラーリ製PUを積むアルファロメオが3番手に続いた。
フロントローを独占したメルセデスAMGは全10台中7番手。一体どこでタイムを稼いでいたのか? シルバーアローは、トップスピードを犠牲にする事でダウンフォースを強化。セクター1終了地点とセクター2終了地点の2箇所で、ルイス・ハミルトンとバルテリ・ボッタスが最高速1-2を独占している。
伝統的に直線スピードが高めのトロロッソ・ホンダは、フィニッシュラインとセクター1終了地点で4番手を記録も、特に目立ったスピードを残す事はなかった。昨季レッドブルRB14のコンポーネントを多数流用したSTR14は今季RB15以上にレーキ角がきつく、バンピーなバクー市街地コースでトップスピード重視のセットアップに振るのは難しいという理由もあるかもしれない。
レーキ角が大きなクルマでトップスピードを稼ごうとすると、ストレート走行時にリアを下げるため、後方サスペンションを柔らかめにする必要があるが、バクーは全長2km以上ものエンジン全開区間があるため、柔らかくしすぎてしまうとターン1のブレーキングが不安定になりかねない。
とは言え、バクー市街地コースで最も通過時間を要するのは低速コーナーで構成されるセクター2。セクター1が36秒前後、セクター3が25秒前後に対してセクター2は40秒以上かかる。ラップタイムを稼ぐ分には、エンジンパワーに余裕があるのであれば可能な限りダウンフォース重視に振る方が良い。ここが半モナコ、半モンツァと言われる所以の一つであり、セットアップを困難にしている要因と言える。
また、今回の予選は2度に渡る赤旗中断を強いられた事で、路面温度が大きく低下するという難しいコンディションに見舞われた。低い路面温度でもタイヤを上手く作動できるセットアップを作り上げたチームが、高いグリッドポジションを獲得したであろう点も見逃せない。スケジュール通りに予選が終了していれば、最高速と予選順位の関係もこれとは異なった可能性がある。
Pos. | Driver | Team | km/h |
---|---|---|---|
1 | カルロス・サインツ | Mclaren | 323.9 |
2 | セルジオ・ペレス | Racing Point | 321.8 |
3 | キミ・ライコネン | Alfa Romeo | 321.4 |
4 | アントニオ・ジョビナッツィ | Alfa Romeo | 321.2 |
5 | ロマン・グロージャン | Haas | 320 |
6 | セバスチャン・ベッテル | Ferrari | 320 |
7 | ケビン・マグヌッセン | Haas | 317.2 |
8 | ピエール・ガスリー | Red Bull | 316.5 |
9 | ランス・ストロール | Racing Point | 316.5 |
10 | シャルル・ルクレール | Ferrari | 316.4 |
11 | ルイス・ハミルトン | Mercedes | 315.5 |
12 | バルテリ・ボッタス | Mercedes | 315 |
13 | アレックス・アルボン | Toro Rosso | 313.5 |
14 | マックス・フェルスタッペン | Red Bull | 313.4 |
15 | ダニール・クビアト | Toro Rosso | 313.4 |
16 | ニコ・ヒュルケンベルグ | Renault | 312.8 |
17 | ダニエル・リカルド | Renault | 312.8 |
18 | ジョージ・ラッセル | Williams | 309.8 |
19 | ランド・ノリス | Mclaren | 309.6 |
20 | ロバート・クビサ | Williams | 303.8 |