フェルスタッペン、最終戦快勝で勝率86%!角田裕毅、見事な走りと入賞で世界を魅了 / F1アブダビGP《決勝》結果とダイジェスト
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2023年シーズンのFIA-F1世界選手権最終第23戦アブダビGPが11月26日(日)に行われ、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)がポール・トゥ・ウインを以て年間最多優勝記録を19勝に塗り替えた。角田裕毅(アルファタウリ)は8位入賞で3年目のF1シーズンを締め括った。
1周目を除いてポジションや勝利が危ぶまれる場面は一つもなく、3度のF1ワールドチャンピオンは後続に17.993秒差をつけ最終戦恒例のウイニング・ドーナツターンを披露した。F1史上最も支配的なシーズンを締め括るに相応しい圧倒的な勝利だった。全22戦で19勝と、勝率は驚異の86.4%に達した。
逆転のコンストラクターズ選手権2位を狙うフェラーリは、シャルル・ルクレールが2位表彰台に上がった一方、カルロス・サインツは16位に終わり、対するメルセデスはジョージ・ラッセルが3位、ルイス・ハミルトンが9位とダブルポイントを獲得。3点及ばず3位に留まった。
9番グリッドに着いたセルジオ・ペレス(レッドブル)は2位フィニッシュしたものの、残り12周目のターン6でのランド・ノリスとの接触により、2点のペナルティポイント(累積7点)と5秒ペナルティを受け4位に降格した。
予選3番手のオスカー・ピアストリは今回もレースペースで僚友に及ばず、ノリス(5番グリッド)に次ぐ6位でフィニッシュした。
フランツ・トストの引退レースに華を添えるべくトップ10の中で唯一、1ストップ戦略を取った角田裕毅は、残り11周目のバックストレートまでスタートポジションの6番手を死守したが、14周分フレッシュなタイヤを履くピアストリに為す術はなく、残り3周ではフェルナンド・アロンソ(アストンマーチン)に追い抜きを許した。
最終周ではルイス・ハミルトン(メルセデス)の猛攻を受け、ターン9で一旦、前を許したものの、コーナーからの脱出の際にリアを滑らせた7度のF1ワールドチャンピオンをイン側から抜き返し、8位でチェッカーを受けた。
チームメイトのダニエル・リカルドはランス・ストロール(アストンマーチン)に0.663秒届かず、ポイントまで後一つの11位でレースを終えた。
アルファタウリはウィリアムズを逆転してのコンストラクターズ選手権7位獲得とはならなかったが、角田裕毅はキャリア初のラップリードを記録するなど、見事な走りで世界中のファンを魅了。ドライバー・オブ・ザ・デイに選出された。その得票率は実に24.2%と、14.3%で2位となったルクレールを大きく引き離すものだった。
レース概要
決勝は日本時間26日(日)22時にブラックアウトを迎え、1周5,281mのコースを58周する事で争われた。現地ヤス島は晴れ、チャンピオンシップポイントを争うレースのフォーメーションラップは気温27℃、路面34℃のドライコンディションで開始された。
公式タイヤサプライヤーのピレリは最も柔らかいレンジのC3からC5までのコンパウンドを投入。13番手のストロール、16番手のサインツ、そして19番手の周冠宇のみハードを、その他はミディアムを履いてグリッドに着いた。
角田裕毅はスタート直後のターン1でアロンソに交わされたものの、1つ目のバック・ストレートで追い抜き返し、6番手を取り戻した。
リカルドはフロントのブレーキダクトに捨てバイザーが詰まる不運に見舞われ、オーバーヒートを防ぐために7周という早い段階でのピットインを強いられた。
2番手ルクレールはオープニングラップでフェルスタッペンを強襲。ターン1、6、9のイン側からオーバーテイクを狙ったが、いずれも一歩、踏み込むまでには至らず、その後はフィールド全体を一塊とする巨大なDRSトレインの先頭を走り続けた。
角田裕毅を追うアロンソは上位勢としては最も早い12周目にハードタイヤに履き替えた。翌周にはピアストリがカウンターを打ち、その翌周にはノリスとラッセルが相次いでピットストップを行った。この時点で角田裕毅の前方を走る4名の2ストップがほぼ確定した。
当時ノリスは3番手につけていたが、左リアタイヤの交換に手間取り、ピットストップの際のピットレーン上でラッセルに先行を許した。
ピットレーンが慌ただしくなる中、ハミルトンは1本目のバックストレートでガスリーを交わそうとしたところ追突。フロントウィングの翼端板を破損した。ガスリーが「なんでこんなに遅いんだ」と自分のペースダウンについて不満をあらわにするとチームは、ハミルトンとの接触によってリアにダメージを負ったためだと説明した。
ラップリーダーのフェルスタッペンは16周目にピットイン。2番手ルクレールがその翌周にピットに入ると、角田裕毅はキャリア初のラップリーダーに躍り出た。
そしてミディアム勢としては誰よりも長く第1スティントを引っ張り、22周目にハードに履き替え12番手でコースに復帰。すぐさまバルテリ・ボッタスを交わすと、翌周にサインツがピットインした事でポイント圏内10番手にポジションを上げ、26周目にリカルドを抜いて9番手に浮上した。
4番手を走行するノリスがアンダーカットを狙って33周目に2回目のピットストップに動くと、翌周にラッセルが、その翌周には2番手ルクレールと6番手ハミルトンがピットイン。角田裕毅は5番手に浮上した。
後続の動きが一段落してフリーストップを得たフェルスタッペンは残り15周、2回目のピットストップを行い、ポジションを維持したままにコースに戻った。
角田裕毅は慎重にタイヤをマネジメントし、最後まで一貫したペースを維持したが、それでも10周以上も履歴が浅いタイヤを履くライバルに対してできる事は限られていた。
残り11周のバックストレートでピアストリに交わされ7番手に後退。残り3周のターン 9でアロンソに交わされ8番手に後退した。
2023年F1第23戦アブダビGP決勝リザルト
Pos | No | Driver | Team | Laps | Time | PTS |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 1 | フェルスタッペン | レッドブル | 58 | 1:27:02.624 | 26 |
2 | 16 | ルクレール | フェラーリ | 58 | +17.993s | 18 |
3 | 63 | ラッセル | メルセデス | 58 | +20.328s | 15 |
4 | 11 | ペレス | レッドブル | 58 | +21.453s | 12 |
5 | 4 | ノリス | マクラーレン | 58 | +24.284s | 10 |
6 | 81 | ピアストリ | マクラーレン | 58 | +31.487s | 8 |
7 | 14 | アロンソ | アストンマーチン | 58 | +39.512s | 6 |
8 | 22 | 角田裕毅 | アルファタウリ | 58 | +43.088s | 4 |
9 | 44 | ハミルトン | メルセデス | 58 | +44.424s | 2 |
10 | 18 | ストロール | アストンマーチン | 58 | +55.632s | 1 |
11 | 3 | リカルド | アルファタウリ | 58 | +56.229s | 0 |
12 | 31 | オコン | アルピーヌ | 58 | +66.373s | 0 |
13 | 10 | ガスリー | アルピーヌ | 58 | +70.360s | 0 |
14 | 23 | アルボン | ウィリアムズ | 58 | +73.184s | 0 |
15 | 27 | ヒュルケンベルグ | ハース | 58 | +83.696s | 0 |
16 | 2 | サージェント | ウィリアムズ | 58 | +87.791s | 0 |
17 | 24 | 周冠宇 | アルファロメオ | 58 | +89.422s | 0 |
18 | 55 | サインツ | フェラーリ | 57 | DNF | 0 |
19 | 77 | ボッタス | アルファロメオ | 57 | +1 lap | 0 |
20 | 20 | マグヌッセン | ハース | 57 | +1 lap | 0 |
コンディション
天気 | 晴れ |
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気温 | 27℃ |
路面温度 | 34℃ |
セッション概要
グランプリ名 | F1アブダビGP |
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レース種別 | 決勝 |
レース開始日時 |
サーキット
名称 | ヤス・マリーナ・サーキット |
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設立 | 2009年 |
全長 | 5281m |
コーナー数 | 21 |
周回方向 | 反時計回り |