79歳ヘルムート・マルコ、後継にベッテルを希望? マテシッツ亡き後のレッドブルと自身の将来を語る
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来年の4月に80歳の誕生日を迎えるヘルムート・マルコはレッドブル・レーシングにおける今の仕事を続ける事に意欲を示す一方、将来的にセバスチャン・ベッテルが自身の後継者となる事を期待している様子をうかがわせた。
マルコは役員としてチームの経営に携わる傍ら、モータースポーツ・アドバイザーという立場でベッテルやマックス・フェルスタッペンといった若き才能を発掘し、チーム代表のクリスチャン・ホーナーと並ぶ双頭としてレッドブルを率いてきた。
ただそれは決して自身の力ばかりによるものではなかったとマルコは強調する。
LAOLA1とのインタビューの中でマルコは、職務を果たし得たのはディートリッヒ・マテシッツという「大局的にすべてを理解する先見の明がある人物」との関係があってこそだと語った。
レッドブルF1チームの事実上のオーナーであるマテシッツは今年10月、長い闘病の末に亡くなった。良き理解者を失った今、マルコは「いつでもチームを離れる事ができると」として退任の可能性を認めつつも、F1に対する情熱は今も健在だと主張する。
「(マテシッツの死去に伴い)雰囲気が自分に合わなくなったら、それは仕方がない。今日にでも辞めることはできるが、火はまだ燃えつづけている」
マテシッツという絶対的な支持者を失ってなお、マルコはレッドブル・レーシング及びアルファタウリの存続を確信している。
「マーケティングの観点から、F1は疑問の余地がない最も強力な手段だという両株主(マテシッツの息子マークとタイのユーウィッタヤー家)からの全面的なコミットメントがある」とマルコは説明する。
「われわれは株主と協議しており、ミンツラフ(コーポレート及び投資部門の新たなCEOに就任したオリバー・ミンツラフ)とも近いうちに話をする予定だ」
またアルファタウリに関しては、株主は「マテシッツがジュニアチームとして作り上げたものを継続させたいと考えている」と述べ、売却の可能性を否定した。
今の主だったタスクは2026年以降のパワーユニット計画だ。マルコは「Honda Racing THANKS DAY 2022」が行われる今週、日本へと飛びホンダとの話し合いに臨む予定だと明かした。
パドックではレッドブル・パワートレインズにハイブリッド技術を供給する方向でホンダがF1に復帰するのではとの噂があるが、同時にレッドブルとは組まずに単独でグリッドに戻ってくるのではとの憶測も出ている。
F1アブダビGPの決勝前夜、レッドブルは引退するベッテルのためにささやかな送別会を行った。Motorsport-Totalによるとマルコは「単なる雑談」だとしながらも、ベッテルに対してマネジメントとしてレッドブルに戻る事を提案した。
マルコは「トップマネジメントという立場で戻ってくる可能性もないとは言えない。私ももうすぐ80歳だしね」「彼には確かに可能性があるし、それに足る人格も持ち合わせている」として、今後の展開を見守りたいと語った。