WECルマン24時間予選:トヨタ7号車が暫定ポール「予選結果は重視していない」と小林可夢偉

サルトサーキットのピットレーンに停車するトヨタ TS050 HYBRID7号車、WEC世界耐久選手権2018-19第8戦ルマン24時間レース予選1copyright TOYOTA MOTOR CORPORATION

2018-2019年スーパーシーズンWEC世界耐久選手権 最終第8戦ル・マン24時間レースが12日(水)、4時間の公式練習走行で開幕。プラクティスに続いて行われた予選1回目では、TOYOTA GAZOO RacingのTS050 HYBRID 7号車が暫定ポールポジションを獲得した。

ルマンでのコースレコードを保持する小林可夢偉とマイク・コンウェイ、ホセ・マリア・ロペスが駆る7号車は3分17秒161をマーク。2番手につけたステファン・サラザン、イゴール・オルトツェフ、セルゲイ・シロトキンのSMPレーシング BRエンジニアリングBR1・AER 17号車をコンマ5秒引き離して、暫定ポールを獲得した。

「多くの車両が走っていたのでベストな予選ラップではありませんでした」と小林可夢偉。「クリアーラップで気持ち良く走れなかったのは残念ですが、クルマの状態は上々ですので、もっとタイムは向上していくはずです。24時間の長いレースでは予選はあまり意味がないので、レースに向けて出来るだけ限りの準備を行っています。今日のコンディションは実際のレースの時とは違うと思いますので、更に車両を良い状態に仕上げていきます」

ドライバーズ選手権で首位を走るセバスチャン・ブエミ、中嶋一貴、フェルナンド・アロンソのトヨタ8号車は4番手。13日(木)に2度予定されている2時間の予選セッションで更なる上位グリッドを目指す。ル・マン24時間レースの決勝スターティンググリッドは、他のWEC戦とは異なり、3回の予選セッションで記録した1周のベストタイムで決定される。

「まずまず順調な一日だった」とアロンソ。「午後の練習走行でセットアップ作業を進めたが、天候の変化に翻弄されてしまった。その後の予選では不運にもトラフィックに捕まってしまい、ポテンシャルを発揮しきれなかったため、その後は決勝に向けた作業の続きをこなすことに専念した。明日木曜日は更にセットアップを突き詰められるだろうし、タイム更新を狙っていきたい」

9日(日)の公開車検でスタートを切った第87回ル・マン24時間レース。1周13.626kmのサルト・サーキットで4時間に渡って行われた練習走行セッションは、午後に激しく降った雨により、ウェットコンディションで開始。序盤1時間ほどでコースは徐々にドライへと変化し、チームはエンジニアとドライバーの協力のもと、ウェットタイヤからハイブリッド・インターミディエイトタイヤ、そしてスリックタイヤへの交換タイミングを評価した。

トヨタ勢は6月2日のテストデーで合計220周を走破しているが、この日は気温が非常に高かったため、今日はレースで想定される低いコンディションでのセットアップ作業を進める貴重な一日となった。とは言え、練習走行では激しい雨の影響もあって、赤旗により50分ほどの中断が発生。刻々と変わる天候と中断に翻弄された。

陽も落ち闇がコースを包み始めた午後10時、ドライコンディションで2時間の予選1回目がスタートした。2台のTS050 HYBRIDはセッション開始早々にタイムアタックに入り、7号車の小林可夢偉は昨年の予選1回目のベストタイムを上回るタイムをマークするも、8号車の中嶋一貴はトラフィックとフルコースイエローにアタックを阻まれタイムを伸ばせず、早々にタイム更新を諦めて決勝を見据えた準備へと切り替えた。

セッション残り45分のところでは、トヨタ勢がほぼ同じタイミングでクラッシュするアクシデントが発生。コンウェイがドライブしていた7号車は、最終コーナーでスピンしていたLMP2マシンと接触。8号車ブエミはGTカーと接触した。幸いにも、左フロントにダメージを負った7号車は、25分ほどの修復の後にコースに復帰。8号車はフロアの修復とフロントノーズの交換を行い、数分のタイムロスで走行を再開した。

セッションの終盤には、アロンソがベストタイムを更新し8号車が暫定4番手に浮上。その間7号車は、タイヤの評価を行いながらセットアップ作業を進めた。

WECルマン24時間レース LMP1予選1回目結果

順位 No. ドライバー チーム 周回 タイム
1 7 小林可夢偉
マイク・コンウェイ
ホセ・マリア・ロペス
TOYOTA GAZOO Racing
トヨタ TS050 HYBRID
25 3:17.161
2 17 ステファン・サラザン
イゴール・オルトツェフ
セルゲイ・シロトキン
SMPレーシング
BRエンジニアリングBR1・AER
23 3:17.633
3 3 トーマス・ローラン
ナタナエル・ベルトン
グスタボ・メネゼス
レベリオン・レーシング
レベリオンR13・ギブソン
19 3:19.603
4 8 中嶋一貴
セバスチャン・ブエミ
フェルナンド・アロンソ
TOYOTA GAZOO Racing
トヨタ TS050 HYBRID
30 3:19.632
5 10 ヘンリク・ヘドマン
ベン・ハンリー
レンジャー・ヴァン・デル・ザンデ
ドラゴンスピード
BRエンジニアリングBR1・ギブソン
9 3:20.200
6 1 ニール・ジャニ
アンドレ・ロッテラー
ブルーノ・セナ
レベリオン・レーシング
レベリオンR13・ギブソン
27 3:20.297
7 11 ヴィタリー・ペトロフ
ミカエル・アレシン
ストフェル・バンドーン
SMPレーシング
BRエンジニアリングBR1・AER
19 3:20.934
8 4 トム・ディルマン
オリバー・ウェッブ
パオロ・ルバーティ
バイコレス・レーシング・チーム
エンソ・CLM P1/01・ギブソン
21 3:25.246

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