MotoGP:9度の王者バレンティーノ・ロッシ、現役引退を発表「どんなスポーツであれ最後は結果が問われる」
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9度の世界タイトルを持つ生ける伝説バレンティーノ・ロッシ(ペトロナス・ヤマハ)は2021年8月5日、今シーズン末を以てロードレース世界選手権(MotoGP)から引退する事を発表した。
1996年にアプリリアからグランプリデビューを果たしたロッシは、11月のバレンシアGPを最後にヘルメットを置き、最高峰クラスでの89勝を含む通算115勝、表彰台獲得235回という輝かしき26年間のキャリア(第9戦終了時点での成績)に終止符を打つ事になる。
サマーブレイク明けの第10戦スティリアGPのプレスカンファレンスでロッシ自らが引退を宣言した。
「来年のことは夏休み明けに決めると決めていたわけだけど、今シーズン限りでレースを止める事にした」
「残念ながら、これがMotoGPライダーとしての最後の半シーズンになる。来年、バイクでレースをしない事を皆に発表するのは辛く、そして悲しい事だ。何しろ30年近くに渡って続けてきたわけだからね」
「来年、僕の人生は変わる事になるけど、これまでの旅は本当に素晴らしく、最高に楽しかった。世界選手権という舞台で25年、26年と続けてこれたし、共に力を合わせて戦った仲間たちと、忘れられない時を過ごす事ができた」
引退を決断した理由についてロッシは、参戦継続を正当化するに十分な結果を残せなかったためだと語った。
「決断するのは難しかった。でも、どんなスポーツであれ最後は結果が問われるものさ。僕としては正しい決断だったと思ってる」
「残念なことに、今シーズンの結果は期待に届いていなかった。だから1戦を経る毎に(引退を)考え始めた」
2017年のTTアッセンを最後に優勝から遠ざかっていたロッシは「2年前、それに去年もそうだったかもしれない」と述べ、自身が衰えつつある可能性を以前から感じていたと認めたが、あらゆる努力を尽くさずして引退を決断する事はできなかったとした。
来季は自身が主催するアラムコ・レーシング・チームVR46がドゥカティと提携して最高峰クラスへの参戦を開始する。
故にロッシには自らのチームから参戦を継続する選択肢もあったが、ドゥカティのバイクに適応するには「2・3シーズン」は必要であると考え、単年のみの移籍は「リスクが大きかった」とした。
なおチーム運営業と合わせてロッシは4輪への挑戦を口にしており、フェラーリからのFIA世界耐久選手権(WEC)への参戦が囁かれている。
42歳のイタリア人ライダーは2001年にロードレース世界選手権の最高峰クラスでデビューを果たし、ホンダ、ヤマハ、ドゥカティと3チームを渡り歩き7度に渡って(2001~2005年、 2008年、 2009年)世界の頂点を制した。