フェルスタッペン、メルセデスの牙城でPP!角田 2戦連続Q3でホンダ全車トップ10 / F1アメリカGP《予選》結果とダイジェスト
Published: Updated:
2年ぶりとなるFIA-F1世界選手権17戦アメリカGPの公式予選が10月24日に行われ、レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンが1分32秒910を記録。V6ハイブリッド時代にメルセデスがポールを独占してきたサーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)で今季8度目のポールポジションを獲得した。
2番手はルイス・ハミルトン(メルセデス)。最終アタックで一旦、暫定ポールを手にするも、雨粒が路面を濡らし始める中、フェルスタッペンが最後に0.209秒引き離した。
予選後のグリッド上でダニカ・パトリックに、明日のレースでタイトル争いのライバルとフロントローに並ぶ事について聞かれたフェルスタッペンは「良いスタートを切って、その後はチーム一丸となって最高の結果を出したいね」と語った。
セルジオ・ペレスはQ3での1回目のランを終えて暫定ポールに立つも、雨の影響もあり最後に先行を許し、ハミルトンに1000分の15秒遅れの3番手に甘んじたが、バルテリ・ボッタスにコンマ3秒差を付けて4番手に抑え込んだ。
トップ4下のタイムシートには各車がチーム別に綺麗に並んだ。
フェラーリは5・6番手にシャルル・ルクレールとカルロス・サインツが、マクラーレンは7・8番手にダニエル・リカルドとランド・ノリスが並んだ。
週末を通してピエール・ガスリーがトップ10入りに苦労する状況の中、アルファタウリ・ホンダの角田裕毅は前戦トルコGPに続く2戦連続、今季5度目のQ3進出を果たす印象的なパフォーマンスを示し、9番手につけたチームメイトにジャスト0.8秒差の10番手を獲得した。
土曜午後の現地オースティンは上空に雲が広がり、決勝のスタートグリッドを決する争いは気温29.9℃、路面37.8℃、湿度55.2%、降水確率40%のドライコンディションでスタートした。最終盤には一部で小雨が降った。
公式タイヤサプライヤーのピレリはハード(白色)にC2、ミディアム(黄色)にC3、ソフト(赤色)にC4という中間レンジの3種類のコンパウンドを投入した。決勝レースでのスタートタイヤが決まるQ2では多くがミディアムを履いた。
レッドブル・ホンダは最終プラクティスを経てクラックが発見されたため、2台のマシンのリアウィングを補強して予選に臨んだ。
予選Q1:各車、トラフィックを警戒
エントリーした全20台で争われる予選第一ラウンドのQ1は、トラフィックへの懸念とアウトラップにかなりの時間を割かなければならない関係上、開始と同時に各車一斉にコースに出ていく展開となった。
路面温度が上昇した事から、ドライバー達はタイヤの寿命をできるだけ引き伸ばすため、一様にアウトラップを超スロー走行した。
エンジン交換ペナルティでの最後尾後退が決まっているセバスチャン・ベッテル(アストンマーチン)は、高速のS字でニキータ・マゼピン(ハース)に前を阻まれ、放送禁止用語と共に怒りをぶちまけた。
レッドブル・ホンダ勢は1セットで2回の計測ラップを走り、フェルスタッペンがトップ、ペレスが2番手を記録。マクラーレンの2台がこれに続いたが、2セットの新品ソフトを投じたルクレールが最後に塗り替え逆転の首位通過を果たした。
アルファタウリ・ホンダ勢は2セットを使ってガスリーが7番手、角田裕毅が11番手でQ2へと駒を進めた。
アルファロメオのアントニオ・ジョビナッツィは最終アタックのターン1を過ぎたところでスピンを喫したものの、ギリギリ15番手でQ2進出を決めた。チームメイトのキミ・ライコネンは18番手でノックアウトした。
ランス・ストロール(アストンマーチン)とニコラス・ラティフィ(ウィリアムズ)は共に、エンジン交換ペナルティを受けるチームメイトに先行を許した。ベッテルは10番手、ジョージ・ラッセルは12番手を刻んだ。
Pos | Driver | Team | Time | Gap | Laps |
---|---|---|---|---|---|
1 | ルクレール | フェラーリ | 1:34.153 | 8 | |
2 | フェルスタッペン | レッドブル | 1:34.352 | + 0.199 | 6 |
3 | ペレス | レッドブル | 1:34.369 | + 0.216 | 6 |
4 | リカルド | マクラーレン | 1:34.407 | + 0.254 | 3 |
5 | ノリス | マクラーレン | 1:34.551 | + 0.398 | 3 |
6 | サインツ | フェラーリ | 1:34.558 | + 0.405 | 3 |
7 | ガスリー | アルファタウリ | 1:34.567 | + 0.414 | 6 |
8 | ハミルトン | メルセデス | 1:34.579 | + 0.426 | 6 |
9 | ボッタス | メルセデス | 1:34.590 | + 0.437 | 6 |
10 | ベッテル | アストンマーチン | 1:35.281 | + 1.128 | 6 |
11 | 角田裕毅 | アルファタウリ | 1:35.360 | + 1.207 | 6 |
12 | ラッセル | ウィリアムズ | 1:35.746 | + 1.593 | 6 |
13 | オコン | アルピーヌ | 1:35.747 | + 1.594 | 6 |
14 | アロンソ | アルピーヌ | 1:35.756 | + 1.603 | 6 |
15 | ジョビナッツィ | アルファロメオ | 1:35.920 | + 1.767 | 5 |
16 | ストロール | アストンマーチン | 1:35.983 | + 1.830 | 7 |
17 | ラティフィ | ウィリアムズ | 1:35.995 | + 1.842 | 6 |
18 | ライコネン | アルファロメオ | 1:36.311 | + 2.158 | 7 |
19 | シューマッハ | ハース | 1:36.499 | + 2.346 | 9 |
20 | マゼピン | ハース | 1:36.796 | + 2.643 | 8 |
予選Q2:角田裕毅、2戦連続Q3
5台が脱落し残る15台のマシンが挑んだQ2では、路面の改善よりアウトラップを重視するメルセデス勢が先行してコースに出た。ラッセル、サインツ、角田裕毅、フェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)が1セット目にソフトを選んだ。
ペレスはターン19、リカルドはターン9のトラックリミットを越える痛恨のミスを喫し、1セット目の計測タイムが抹消された。ただ、共に2セット目の新品ミディアムを履いて再度計測に向かい、各々7番手と9番手タイムを残した。
角田裕毅は2セット目の新品ソフトでエステバン・オコン(アルピーヌ)を蹴落とし、10番手でQ3進出を果たした。
Pos | Driver | Team | Time | Gap | Laps |
---|---|---|---|---|---|
1 | フェルスタッペン | レッドブル | 1:33.464 | 9 | |
2 | ハミルトン | メルセデス | 1:33.797 | + 0.333 | 9 |
3 | ノリス | マクラーレン | 1:33.880 | + 0.416 | 8 |
4 | ルクレール | フェラーリ | 1:33.928 | + 0.464 | 11 |
5 | ボッタス | メルセデス | 1:33.959 | + 0.495 | 9 |
6 | サインツ | フェラーリ | 1:34.126 | + 0.662 | 9 |
7 | ペレス | レッドブル | 1:34.178 | + 0.714 | 12 |
8 | ガスリー | アルファタウリ | 1:34.583 | + 1.119 | 11 |
9 | リカルド | マクラーレン | 1:34.643 | + 1.179 | 9 |
10 | 角田裕毅 | アルファタウリ | 1:35.137 | + 1.673 | 12 |
11 | オコン | アルピーヌ | 1:35.377 | + 1.913 | 12 |
12 | ベッテル | アストンマーチン | 1:35.500 | + 2.036 | 9 |
13 | ジョビナッツィ | アルファロメオ | 1:35.794 | + 2.330 | 8 |
14 | アロンソ | アルピーヌ | 1:44.549 | + 11.085 | 12 |
15 | ラッセル | ウィリアムズ | 11 | ||
16 | ストロール | アストンマーチン | 1:35.983 | 7 | |
17 | ラティフィ | ウィリアムズ | 1:35.995 | 6 | |
18 | ライコネン | アルファロメオ | 1:36.311 | 7 | |
19 | シューマッハ | ハース | 1:36.499 | 9 | |
20 | マゼピン | ハース | 1:36.796 | 8 |
予選Q3:フェルスタッペンが圧巻のポール
トップ10グリッドを決する予選最終ラウンドのQ3では、ハミルトンがいち早くピットレーンから飛び出し、ボッタス、マクラーレン勢、アルファタウリ勢、フェラーリ勢がこれに続いた。
1セット目のアタックを終えてトップに立ったのはペレス。チームメイトを1000分の19秒差で2番手に抑えて暫定ポールを手にした。ボッタスはコンマ3秒遅れの3番手、ハミルトンはコンマ4秒落ちの4番手に留まった。
大幅なゲインが求められるメルセデスは再び先行してコースイン。ボッタスがハミルトンの前を走り、スリップストリームを与えた。ハミルトンは第2セクターで全体ベストを刻み、1000分の61秒差でペレスの前に出た。
路面に雨粒が落ち始める中、フェルスタッペンはセクター1で全体ベスト、セクター2で自己ベストを刻んでハミルトンを蹴落としポールポジションを獲得した。コンマ2秒という小さくない差を付けた。
2021年 F1アメリカグランプリ決勝レースは、日本時間10月25日(月)4時にスタート。1周5516mのサーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)を56周する事でチャンピオンシップを争う。
2021年F1第17戦アメリカGP予選リザルト
Pos | No | Driver | Team | Q1 | Q2 | Q3 | Laps |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 33 | フェルスタッペン | レッドブル | 1:34.352 | 1:33.464 | 1:32.910 | 16 |
2 | 44 | ハミルトン | メルセデス | 1:34.579 | 1:33.797 | 1:33.119 | 16 |
3 | 11 | ペレス | レッドブル | 1:34.369 | 1:34.178 | 1:33.134 | 19 |
4 | 77 | ボッタス | メルセデス | 1:34.590 | 1:33.959 | 1:33.475 | 15 |
5 | 16 | ルクレール | フェラーリ | 1:34.153 | 1:33.928 | 1:33.606 | 17 |
6 | 55 | サインツ | フェラーリ | 1:34.558 | 1:34.126 | 1:33.792 | 15 |
7 | 3 | リカルド | マクラーレン | 1:34.407 | 1:34.643 | 1:33.808 | 15 |
8 | 4 | ノリス | マクラーレン | 1:34.551 | 1:33.880 | 1:33.887 | 14 |
9 | 10 | ガスリー | アルファタウリ | 1:34.567 | 1:34.583 | 1:34.118 | 17 |
10 | 22 | 角田裕毅 | アルファタウリ | 1:35.360 | 1:35.137 | 1:34.918 | 18 |
11 | 31 | オコン | アルピーヌ | 1:35.747 | 1:35.377 | 12 | |
12 | 5 | ベッテル | アストンマーチン | 1:35.281 | 1:35.500 | 9 | |
13 | 99 | ジョビナッツィ | アルファロメオ | 1:35.920 | 1:35.794 | 8 | |
14 | 14 | アロンソ | アルピーヌ | 1:35.756 | 1:44.549 | 12 | |
15 | 63 | ラッセル | ウィリアムズ | 1:35.746 | 11 | ||
16 | 18 | ストロール | アストンマーチン | 1:35.983 | 7 | ||
17 | 6 | ラティフィ | ウィリアムズ | 1:35.995 | 6 | ||
18 | 7 | ライコネン | アルファロメオ | 1:36.311 | 7 | ||
19 | 47 | シューマッハ | ハース | 1:36.499 | 9 | ||
20 | 9 | マゼピン | ハース | 1:36.796 | 8 |
コンディション
天気 | 晴れ |
---|---|
気温 | 29.9℃ |
路面温度 | 37.8℃ |
セッション概要
グランプリ名 | F1アメリカGP |
---|---|
セッション種別 | 予選 |
セッション開始日時 |
サーキット
名称 | サーキット・オブ・ジ・アメリカズ |
---|---|
設立 | 2012年 |
全長 | 5516m |
コーナー数 | 20 |
周回方向 | 反時計回り |