ザウバー、”変則”のF1チーム代表にアルンニ・ブラービを任命…正規トップを置かない異例の首脳体制

ザウバー(アルファロメオ)F1チーム代表に任命されたアレッサンドロ・アルンニ・ブラービ、2023年1月Courtesy Of Alfa Romeo Racing

ザウバー・モータースポーツは1月26日(木)、FIA-F1世界選手権に参戦するアルファロメオのチーム代表およびグループのマネージング・ディレクターにアレッサンドロ・アルンニ・ブラービ(Alunni Bravi)を任命した。

ブラービは今後、フレデリック・バスール元CEO兼チーム代表がかつて務めていた役割の内の一つを担っていく。ただし厳密に言えば彼の後任というわけではない。

日本語では「チーム代表」と一括りにしてしまうが、フェラーリ現チーム代表のかつての肩書は「チーム・プリンシパル(team principal)」で、ブラービのそれは「チーム代表(team representative)」だ。

現在、F1には10チームが参戦しているが、ザウバー(アルファロメオ)はその中で唯一、チーム・プリンシパルを置かないチームとなる。

ブラービはチームを代表して活動するものの”チームのトップ”ではない。

チーム代表と似たような責任を負うことになるが、スポーティング・ディレクターのビート・ツェンダーやテクニカル・ディレクターのヤン・モンショーを部下とはせず、あくまでも彼らの横に立つ。この3首脳をグループCEOのアンドレアス・ザイドルが監督下に置く。

チームの説明によると、2017年にザウバーに加わったイタリア人弁護士は2023年シーズン以降、「レースウィークエンドやコースを離れた場所でのすべての公式行事」でチームを代表し、「技術・運営部門と協力してチームの成長と成功を継続させていく」ことになる。

Courtesy Of Alfa Romeo Racing

ザウバー(アルファロメオ)F1チーム代表に就任したアレッサンドロ・アルンニ・ブラービとグループCEOを務めるアンドレアス・ザイドル、2023年1月

ブラービを任命したザイドルCEOは「アレッサンドロがF1世界選手権においてチームを代表する事で私は、グループの成長と我々を待ち受ける挑戦に対する準備に集中することができる」と語った。

チーム代表への就任についてブラービは「途方もない特権」であるとして「彼らの期待に応え、チームを代表してベストを尽くすという決意を改めて表明したい」と続けた。

「我々の目の前に横たわっている仕事、そして直面している課題については十分に認識している。私はこの仕事を成し遂げていくチームの一員であることを自覚し、成功する未来に必要なものは全て持っていると信じ、謙虚な姿勢でこの仕事に取り組んでいくつもりだ」

”アルファロメオ”の名前を掲げてF1に参戦しているザウバーは現在、2026年のアウディ・ワークスへの転身に向けて準備を進めており、ドイツの巨大自動車メーカーはザウバーの経営権を取得する手続きに取り組んでいる。

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