マクラーレンの米インディカーシリーズ参戦の可能性如何に?ブラウン代表「F1が最優先事項」
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マクラーレンF1チームのザク・ブラウンCEOは、F1での成功なくして米インディカー・シリーズへの参戦はあり得ないとの見解を示した。
インディカー・シリーズ(IndyCar Series)は、アメリカ合衆国を中心に転戦する北米最高峰のフォーミュラカーレースとして高い人気を誇る。今季は、オーバーテイク数の増加とマシン性能差の更なる縮小を狙って、全チーム共通のユニバーサル・エアロキットが導入される。
ブラウンは昨年、トリプル・クラウンを目指すフェルナンド・アロンソの要望を叶えるため、アンドレッティ・オートスポーツと提携。第101回インディアナポリス500マイルレースにアロンソを参戦させた。これによって、マクラーレンがインディカーへ参戦するのではとの期待が膨らんでいたが、米国人のブラウンはRACERのインタビューで次のように語り否定した。
「マシンは本当に素晴らしいと思うが、参戦は時期尚早だと考えている。メカニカル、エンジニア、そして私やジョナサン・ニール、ジョン・アラート、エリックら全員は、F1に100%を費やしている。私は今現在、マクラーレンF1チームのためにより多くのスポンサーを探さなくてはならず、インディカーに注力する時間はない。F1が最優先事項なんだ」
「他のカテゴリに進出する前に、まずはF1で表彰台に戻らなければならない。マクラーレンの一人のファンとして、そして一人のレーサーとしてはインディカーへ参戦したいと思っているが、ビジネスとして今後10年間の戦略を立てなければならない。我々が今取り組んでいるのはそういう事なんだ。もしやるのであれば、持続可能なプランを考えなければならない」
ホンダからの年間150億円とも200億円とも言われる巨額の資金提供を失ったマクラーレンは、今大きな瀬戸際を迎えている。スタードライバーのアロンソが引退あるいは移籍によってチームを離脱する前に、最低限メルセデス、フェラーリ、レッドブルに次ぐ4番目チームに返り咲く事が至上命題。他のレースカテゴリに進出する余裕がないのが実情だ。