日産、100億円の損害賠償求めカルロス・ゴーン元会長を横浜地裁に提訴

日産の元会長カルロス・ゴーンcopyright Nissan

日産自動車株式会社は12日、元会長のカルロス・ゴーン氏に対し横浜地方裁判所に損害賠償請求訴訟を提起したと発表した。同社は本訴訟について「長年にわたる元会長による不正行為により発生した損害を取り戻すべく、同氏に対し100億円の損害賠償を求めるもの」としている。

日産は、役員報酬の虚偽記載に関わる金融商品取引法違反、取締役としてのゴーン氏の善管注意義務違反、および会社の資金・資産の私的流用によって損害を受けたとしており、賠償請求額については、証券取引等監視委員会勧告に基づく金融庁への課徴金の支払や、刑事手続で日産に課される可能性のある罰金等、将来的に被る損害次第でさらに増える見込みだと発表した。

100億円という賠償金の算出根拠としては、同社が9月9日に社内調査結果として発表したゴーン氏の不正行為(CEOリザーブによる不正支出、海外の住居の無償使用、姉に対する支払い、レバノンの教育機関への寄付、レバノンの弁護士への支払い、コーポレートジェットの私的利用等)に関する支払いや、不正行為に関する内部調査に要したリソース、日本・米国・オランダおよびその他地域で発生した当局調査対応等の費用が含まれている、と説明した。

日産は、日本から不正出国し司法制度から逃れたゴーン氏の逃亡を受け、元会長に対する損害賠償請求等の責任追及の動きを強化。本日提起された訴訟は、ゴーン氏の不正により日産が被った損害について同氏の責任を追及する当社の基本方針の一環だとしている。

なお「保釈条件に違反してレバノンへ逃亡した後にゴーン氏がメディアに対して行った根拠のない名誉を毀損する発言」については、別途、法的手続をとる権利を留保するとした。

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